妄想最盛期 (ページ18)

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young ページ18

いつも隣にいた彼のことを好きだと気づいたのは、社会人になってからだった。

当時の私は、成長するとともに周りの視線が気になるようになった。

高校生になっても私の後ろを着いてくる彼に、何度やめてと言ったことだろう。
私は、頭に血が上りやすい性格なため、キツく当たってしまったり、口が悪くなったりすることが多かった。

それでも、彼は私を受け入れようとしてくれた。

あんな、楽しい日々に戻れたらなぁ…。

一面、真っ白な空間。
白く裾の伸びた布一枚を纏う少女と、それを追いかける一つの影。

「鬼さんこちら、手の鳴るほうへ。」

楽しそうにはしゃぐ少女を追いかける影は、少女にしか見えていなかった。

.☆.｡.:.+*:ﾟ+｡ .ﾟ･*..☆.｡.:*

夢を見た。
最近、自分が幼い姿で夢に出てくることが多い。どうしてなのだろうか。

昔を懐かしむことが増えたから？

今でも彼のことを考えてしまうから？

彼が好きだと気づいたから？

でも、もう手遅れ。
彼にはとても可愛くて素敵な彼女がいる。
女の私にも、彼女は魅力的に映る。

だから、この想いを零してはいけない。

私は、私のこの気持ちにそっと蓋をした。

夏の彼方へ『young』