魔ノ手 ページ15
※R要素有
.
夜のホテル街。
妖しく光が照らす中、一人の女が男にキスをする。
その女の唇は真っ赤に熟れていて、キスされた者は理性をなくし、女を激しく抱いてしまう。
女に彼氏がいる筈もなく、携帯にはセ フ レの名前がズラリと並んでいる。
今日も、新たな
♡*¨̮⑅୨୧♡*¨̮⑅୨୧♡*¨̮⑅୨୧♡*¨̮⑅୨୧♡*¨̮⑅୧
今日は散々な目に遭った。
上司のミスを押し付けられ、彼女に振られ、慰めてくれる人もいない。
やけくそで酒を煽り、今はフラフラの状態だ。思考回路は麻痺している。
看板を見ていなかった俺は、ホテル街に入ってしまったようだ。
しかし、今日くらいはいいだろう。
そう考えていたら、急にムラムラしてきた。あー、いい女いねぇかなー。
適当に歩いていたら、見知った顔の
「……あれ、〇〇さん？」
よくよく見たら、ソイツは俺の後輩のAさんだった。
「奇遇ですね。もうお帰りですか？」
「あ、いや、どうしようか迷ってたとこだけど…」
やばい、酔いが覚めてきた。さっきから今日の出来事と怒りが俺の中で渦巻いている。
「そうなんですね〜。じゃあ、私とタノシイコトしましょう？」
そう言うAさんの顔は、艶めいていた。
真っ赤に熟れた唇に視線を奪われ、俺の理性がガラガラと音を立てて崩れていく。
腕を引かれ、近くのホテルに連れられた。
我慢の限界だった俺は、部屋の扉を閉めるとすぐにAさんの唇に噛み付くようなキスをする。
ん……、ふっ、と甘い吐息を漏らすAさんが、俺の理性を粉々に打ち砕く。
「やば、今日はもう止められそうにない…。」
「ふふっ、いいですよ。〇〇さんのゼンブ、私にクダサイ」
語尾にハートが付いたようなその言葉を合図に、熱い夜が始まった。
口唇 『魔ノ手』
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作者名：名奈 | 作成日時：2021年1月18日 17時
