七十一つ葉 ページ25
遅れて戻ってきたサーヴァント達にお礼とおかえりと後は自由にしていい旨を伝えた立香はマシュとフォウの付き添いの元、医務室へとロマニと向かった。
機械を通しメディカルチェックをしてもらい、無事に身体的に健康であると診断された立香はマシュとフォウを連れてダ・ヴィンチの工房へと足を進める。
道中にはレイシフトから無事に戻ったことに対して声を掛けてくるサーヴァント達や職員に、心配かけたことに対して謝罪とお礼を繰り返していればいつの間にか目的地に到着。
「ダヴィンチちゃん、入ってもいい?」
どうぞーと緩い声の入室許可をいただいた立香は自動で開いた扉の中に入った。
相変わらず興味深い品物が色々と点在するレオナルド・ダ・ヴィンチの工房に毎回目を輝かせてしまう立香だが、やぁと声を掛けてくる部屋の主人に視線を向けた。
「健康そうでよかったよ立香くん。早速だけど集めてきてもらったこの素材でサーヴァント達のスキルを強化してもらっていいかな?」
「強化?」
「そ、以前にロマニが話しただろうけど、君と契約しているサーヴァントは本来のステータスではないんだ。今までは叡智の結晶を集めてもらったけど今回はこの素材さ」
デスクに並べられているのは先程オケアノスで集めていた輝石と世界樹の種、他見覚えのない素材が何点か。
綺麗に種類別ごとに分けられて置かれていた。
「ねぇダヴィンチちゃん、集めた覚えのない素材もあるのだけどこれはダヴィンチちゃんが用意してくれたの?」
「いいや、君が今まで集めてきたものだよ」
「俺が?」
目を剥いた立香は改めて素材が置かれた机を見て、それから首を横に振った。
「そんなはずないよ。俺は拾った覚えなんてな」
「先輩」
後輩の声に立香は閉口し、どうしたのかと問えば犯人は自分だと言うではないか。
「実は今まで修復してきた特異点での戦闘で排出されていたものをわたしがこっそりと集めていたのです。いつか先輩が必要になると思って」
「……」
「その、御迷惑でしたか?」
「全然! むしろありがとうマシュ!」
俺の後輩が優秀過ぎて尊い。
満面の笑みを浮かべる立香に対し少し不安そうな表情だったマシュは安心したように笑った。
フォウ、とお行儀良くマシュの肩に乗っていたフォウは一つ鳴けばマシュはこの白い獣も手伝ってくれたことも伝えてくる。
「フォウもありがとうね」
「ンキュ」
どういたしましてと威張るような動作のフォウに立香はお礼に頭を撫でたのだ。
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年2月28日 21時