六十二つ葉 ページ16
まずメンバーをどうするかと立香は考えた。
声に応えてくれたサーヴァント達は、マシュを含めたら合計二十三人。
レイソフトできるメンバーは合計六名。
マシュは既にメンバーに入れているのであとは五名。
「追い付いた」
「あ、ダビデ」
どうするかと悩んでいれば後ろから声を掛けられ、立香は振り向くとダビデは片手を上げて此方に歩いてくるではないか。
「どうかしたのかいマスター、何か悩んでそうだけど。僕で良ければ相談に乗るよ?」
「ありがとうダビデ、実はマシュ以外のレイソフトのメンバーどうしようかなって考えたんだ」
「じゃあ今から会う人達にしたらいいんじゃないかな?」
「え」
「っ聞きましたわよマスター!」
突然の第三者の声。
聞き覚えのある声でもある。
無意識に顔が少し引きつる感覚を覚えながらも立香は声のした方へと振り返った。
声の元は、先の曲がり角からやってきたはオルレアンから立香と契約しているバーサーカークラスの清姫からであった。
「ふふふ、こういうこともあろうかとずっとマスターの行く方を先回りしていて正解でした」
「……あ、うん、じゃあ二人目は清姫で」
何やら不穏な言葉を聞こえたような気がしたが立香は聞こえない振りをした。
考えない方がいい、脳がそう訴えていた。
嬉しそうに笑って腕に絡み付いてきた清姫に、遠い目をしていればダビデがふと気になったのか尋ねる。
「え、一人目は?」
「勿論ダビデだよ」
世の中には言い出しっぺの法則というものがある。
発案者であり、了承した覚えはないのに
きょとんとした表情のダビデだが、まぁいいかと笑って了承をしたのである。
途中で再会できたマシュに立香は事情を説明すると直ぐに頷いてくれた。
拙い立香の説明でもわかってくれる。
流石我等が後輩である。
マシュを交えた四名は、誰かいないかと通路を歩き回る。
しばらく歩き回れば前方に鼻歌を歌う女性が一人。
「むむ、可愛い子の気配がする」
「何か言ったダーリン?」
「あ、いえ、なんにも言ってないです。だから徐々に手に力入れるのやめてぇ。圧死しちゃうぅ!」
と、人形とも獣とも呼べない不思議な生き物を片手で握り締めている女神だった。
断末魔のような叫び声はどことなく槍の英霊の声と似ていると思いつつ、立香は恐る恐る声を掛けたのだ。
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年2月28日 21時