九つ葉 ページ10
ガツンと二人の頭を殴ったのは筋力Bのセイバーだった。
御丁寧に篭手を確りと付けた状態のためその分の痛みは増すだろう。
「従来の聖杯戦争とは全く違うというのに、今ここで仲間内の争いをしてどうするのです。貴方方の仲が悪いことは私も知っています。ですので無理に仲良くしろとは言いません。だが、協調性が欠ける行動は謹んでいただきたい」
頭を抑え、唸る二人。
セイバーは続けるようにキャスターを見た。
「それとキャスター。何を隠しているのかは分かりませんが不用意な隠し事は時に混乱を招きます。可能ならば明かしていただいた方が、今後このような事態を避けられます」
「……申し訳ありません。こればかりは言えません。ですが誓って。マスターは勿論、味方に不利になるようなことではありません。それは信じていただいて問題ありません」
申し訳なさそうな声色でそう言ったキャスター。
その声から察するに嘘は吐いていないと判断したセイバーはわかりましたと頷く。
まだ頭を押さえ、痛そうにしている二人を尻目に恐る恐るという風にサーヴァント四騎を伺う職員に、どうぞと促せばようやくこの場に立ち込めていた不穏な空気は四散した。
「ではサーヴァントの方々、立香くんとマシュがレイシフト完了しましたのでよろしくお願いいたします」
その言葉を合図に、セイバーはアーチャーとランサーの襟首を掴むとキャスターに行きますよ、と一声かけて光の粒子を残して消えた。
同様にキャスターも職員の人にそれではと一礼と一言残し、光の粒子となって消えた。
ふわふわと浮かんだそれは空気に溶けるようにゆっくりと消える。
それと同時にその場にいた全員が大きく息を吐いた。
「はいはい、休んでいる暇はないからね」
「立香君のコンディション及びメディカルチェックは逐一確認を。異常があれば直ぐに報告するように」
ダ・ヴィンチとロマニがそういうと、職員は次々と動き出す。
二人とも先ほどのサーヴァント間のやり取りは聞こえていたが、立香を第一優先だったため放置していたのだ。
聞こえていたのか少し心配そうな表情の立香に安心させるように笑んで、それからレイシフトさせた。
さてここから頑張らないと。
ロマニはそう意気込んだ。
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翔べないペンギン(プロフ) - ねこみや梓さん» 御指摘ありがとうございます。仰る通り陣地作成ですね、大変失礼いたしました。急ぎ訂正いたします。 (2019年10月18日 17時) (レス) id: f556686a0b (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや梓(プロフ) - 設定のクラススキルのところ、陣地製作じゃなくて陣地作成じゃないですか? (2019年10月18日 17時) (レス) id: a8080232a4 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 山田さん» ご指摘ありがとうございます。確かに、おっしゃる通り一部以上の引用をしてしまっておりましたl。御不快にさせてしまい申し訳ありません。一度話全てを非公開にして話を練り直しいたします。 (2019年8月31日 14時) (レス) id: fa8482574b (このIDを非表示/違反報告)
山田 - FGOの二次創作ガイドラインに目を通していますか?一部引用を超えたシナリオの使用は禁止されています。 (2019年8月31日 13時) (レス) id: 2bb97616f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2019年7月28日 19時