アオハル。 (ページ40)

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長尾くんに勝手にLINEをされた日から数週間。

今でも絶えず連絡は続いていて、愛犬の話以外もしてくれるようになった。

勉強のこと、部活のこと、友達のこと…毎日道枝くんのことを少しずつ知れて嬉しくて、たまにトークを見返したりなんかして。

今日も少し頬を緩ませてトーク画面を開くと、新しいメッセージが届いた。

道『今週の土曜、空いてる？』

突然の誘いに、思わず寝転んでいたベッドから飛び起きる。

なになに？突然すぎない！？

放課後遊びに行ったこともないのに、休日にお誘い！？と、ひとり舞い上がる。

「空いてるよ、っと」

道『もしよければなんだけど、ライブ行かない？』

詳しい話を聞くと、私たちが共通で好きなアーティストも出演するミニライブが、隣駅のライブハウスであるらしく、それのお誘いだった。

時間は18時からだから、帰りが少し遅くなるかもしれない、と私に気遣いながらのお誘いが、道枝くんらしい。

「行きたい！帰りは、ちゃんと先に言っておけば大丈夫！」

そう返すと、トイプーがニコニコ笑ったスタンプが送られてきた。

続けて、

道『じゃあ、15時くらいに集合してカフェでお茶してから行こうよ』

というメッセージが、嬉しそうな絵文字とともに送られてくる。

……いや、いいんだけども、

いいんだけれど、それってデートでは？

と、ドキドキしながら、いいね！と返事をした。

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待ち合わせより15分も早く着いてしまい、駅のトイレでじっくり身だしなみを整える。

気合を入れすぎても恥ずかしいし、ライブだし……と、お気に入りのパーカーにスカートを合わせた。

それでもいつもより可愛く見られたくて、高めにポニーテールをした。丁寧に巻いたから、ちらちら見える毛先が綺麗にカールしていて嬉しい。

リップを塗り直して、よし。と待ち合わせ場所に向かうと、壁に身体を預けてスマホを見る道枝くんがいる。

「道枝くん」

道「あ、おはよ」

「ごめん、もしかして待った？」

道「ううん、俺が早く来すぎただけだから、…」

そう言いながら微笑んだ彼の手から、スマホが滑り落ちる。

うわっ！！っと慌ててキャッチした彼と、思わず笑いあった。

道「ごめん笑。ちょっと緊張してる」

「緊張？」

道「うん。女の子とライブ行くなんて、初めてだから」

きゅん、と胸が分かりやすく締め付けられた。