アオハル。 (ページ24)

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3年Ｆ組西畑大吾ページ24

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私の幼なじみは、昔から老若男女問わずモテた。

女性からは文字通りモテて、男性からは信頼が厚くて、

大人からは可愛がられるし、子供からは懐かれる。

完璧だった彼に負けないように、私は小さい頃からなんでも張り合って頑張って。

元々明るい性格だったこともあり、私にも友達がたくさんできた。
異性にモテるかは、別として。

西「もーらい」

「あっ！」

他クラスの友人と廊下で喋っていたら、背後から伸びてきた手に、飲みかけのヨーグルトを盗られる。

後ろを見ると、ちゅーっと私のヨーグルトをストローで飲んでいる幼なじみ。その顔が可愛らしいことは、きっと本人も分かってやっている。

「ちょっ、それ私の！大吾！」

西「これウマ。イチゴ味なんて出たんや、へ～」

「新味らしい…って、ねぇ、全然残ってない！！」

ケラケラ笑って歩いていってしまう大吾。

ドンマイ、と友人に励まされるが、私のヨーグルトは戻ってこない。

歩いていった先で、クラスの女子が大吾に話しかけているのが目に入る。

『大吾くん！今日の放課後空いてる？』

西「あ～ごめんな？今日は生徒会の集まりあるんよ」

『さっき授業でクッキー焼いたから、よかったら食べて～！』

西「ありがとう！めっちゃ美味そう！」

ニコニコ笑顔で優しく対応していく姿を見て、私と態度違いすぎるやろ！と空になったヨーグルトパックを潰す。

「も～っ…新しいの買ってくる…」

『西畑くんて…実はAのこと好きだったりして』

「ないない。そうやって言うてたし」

『えっ、言われたの？』

「んー、直接じゃなくて、友達と喋ってるの聞いちゃった」

忘れもしない。

中学2年の春。クラス替えをしたばかりの教室。

日直だった私を待ってくれていた大吾は、たまたまクラスに残っていた男子と恋バナをしていた。

私が日誌を渡しに行っている間に、どういう訳か私の話になり、そこでからかわれた大吾は

『Aとはただの幼なじみやし、…ない。』

と、ハッキリ言い切ったのを聞いて、ズキズキと心が痛んだのを覚えている。

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といっても、それは私が大吾に恋をしていた頃の話であって、今は違う。

今はもっとこう…なんだろう、

「…もはや、兄妹…いや家族。うん、家族だ、あれはもう」

友人にそう伝えると、確かにそんな感じする、と納得の顔で頷いた。