アオハル。 (ページ2)

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時は経ち、私は高校生になった。

友達が出来ず悩んでいた私は、あの後無事に親友と出会い、中学生活を謳歌した。

高校受験は、1番家から近くて制服が可愛い所を選んだ。

試験には受かって、高校でも新しい友達ができて、毎日楽しく過ごしていて…

「今日から3年生かぁ」

『いよいよ受験まっしぐらだねぇ』

「やだなぁ、たまには息抜きに遊び行こうね」

『うん、たまにはいいよね』

なんて何気ない会話をしながら、新しいクラス表を見る。

今までおしゃべりしていた友達とはクラスが別れてしまい、寂しい！って抱き合ってから、バイバイした。

新しいクラスには、仲の良い子があまりいなかった。

だけどそんなに落ち込んでいないのは、

ずっと、気になっていた人が、同じクラスにいるからで。

和「あれ？Aちゃん！おれら高校で初めて同じクラスちゃう？」

「大橋くん」

あの頃と変わらず、太陽みたいな笑顔の彼は、

あの頃と同じ、私の斜め後ろの席に着いた。

和「なんか久しぶりちゃう？」

「うん、高校入ってから同じクラスになったことなかったよね」

和「ほんまや、中学は結構一緒やったのに」

確かに、と笑い合っていると、大橋くんの友達が教室に入ってくる。

高校に入ってから特に人気者の彼は、あっという間にたくさんの友達に囲まれてしまって、見えなくなった。

『やったぁ、大橋くんと同じクラス！』

『委員会とか一緒になれんかな～～？何やるか聞きに行く？』

クラスの女子が、そんな話をしているのが聞こえてくる。

当の本人は、男子に囲まれて大きな声で笑っていて、自分が注目されているとは思ってもなさそう。

大橋くんは、モテる。男女ともに。

だからこそひっそり、想い続けてきたんだ。

あんな人気者が、私を好きになる事なんて、多分ないから。

告白する勇気もないし、見てるだけで幸せ。喋れたら、もっと幸せ。

そう思いながら、自分の席で携帯を開いた。

私の気持ちを知っている友達が、同クラやったやん！！と祝福のLINEをくれていて、それに返す。

すると、ぴこんっと今まで会話のなかった人からメッセージが届く。

「…っ！」

それが大橋くんで、びっくりして出そうになった声を、なんとか抑えた。