シロ、日々勉強 ページ9
『あれ、みんなお揃いで休憩中?お疲れさまー。』
桃太郎襲来から数日__阿鼻地獄での業務を片付けて閻魔庁へ戻る道すがら、Aはベンチに並んで座る鬼灯、シロ、閻魔大王の姿を見つけた。
「Aさん、おかえりなさい。」
「あ、A様だ!おかえりなさーい!」
「おかえり、Aちゃん。……シロちゃん、Aちゃんには様付けなんだ。」
『ただいま。なんの話?』
「大王がポンコツだという話ですよ。あと地獄の構造について少し。」
「あれ、またポンコツって言われた?」
『大体いつも通りだね。察した。』
どうせシロを見て威厳の欠片もなくはしゃいだのだろう。そう当たりをつけたAはベンチ横の自販機で自分の分のジュースを買い、鬼灯の隣に腰かけた。便乗して少し休憩していこうという魂胆である。
そんなAの方へ、シロが鬼灯の膝に前足をかけて身を乗り出した。
「ねぇねぇA様!A様は神様なのになんで地獄で働いてるの?出稼ぎ?」
『あはは!その発想はなかったなぁ。』
「違いますよ。そもそも神々は金を稼ぐ必要がありません。」
「天国は食いっぱぐれることもないしねぇ。」
「あ、そっか。桃太郎も働いてなかったしね!」
無邪気に元上司の黒歴史を抉っていくところは相変わらずである。
「じゃあなんで地獄にいるの?俺、神様ってみんな天国にいるのかと思ってたよ。」
『間違ってはいないよ。ほとんどの神は高天原にいるか、現世の自分の領域に住んでるんだ。山の神は山、海の神は海、とかね。』
「まぁその理屈で考えると火の神であるAさんが地獄にいるのも道理ですね。地獄といえば火ですから。」
『ああ、確かに!』
「つまり火の神様だから地獄にいるわけじゃないんだね……あ、じゃあ鬼灯様と結婚したから地獄に引っ越してきたとか?」
『ううん、私は元々地獄にいたんだよ。』
「元々…?」
キョトンと首を傾げるシロ。
Aは楽しげに笑いながらそのフワフワとした頭を撫でてやった。
働いた後のモフモフは格別だ。よく見ればそのモフモフを膝に乗せている鬼灯も僅かに表情が柔らかく見えた。きっとこちらはこちらでモフモフを堪能しているに違いない。
「あれ?シロちゃん、カグツチの神話知らない?」
「んー?……んぅー………んー?」
「……ご存知ではないようですね。結構有名なんですが。」
『まぁ本で読んだとしても私の出番は一瞬で終わるからね。…久しぶりにお話しようか!』
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星の桜(プロフ) - 更新待ってました...!!!有り難う御座います( ;∀;)作者様のペースで!ゆっくりで!待ってます!!! (2019年8月5日 12時) (レス) id: 847ebd8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 最高でした!何度も読ませて頂いています!7回目ですかね…← まっ、それは置いといて、とっても面白かったです!更新頑張って下さい。応援してます!笑いや、イチャイチャ場面ご馳走様でした!鬼灯様可愛い…!!神作品ですね…文才寄越せ下さi(殴 (2018年8月28日 2時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
あーみ(プロフ) - 面白くて何回も読ませてもらってます!更新楽しみにしてます♪がんばってください(≧▽≦) (2018年8月13日 9時) (レス) id: eacb75658f (このIDを非表示/違反報告)
かりん糖(笑) - 面白い!更新応援してます! (2018年5月26日 13時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
男にならざる物(プロフ) - 初めまして今日はじめて読ませていただいたのですがとても面白いですね。最近アニメを見始めてにわかですが楽しみに夢小説を楽しみにさせて頂いておりますそして気長に更新を待たせていだだきますこれからも頑張って更新して頂けると私も嬉しいです! (2018年5月14日 14時) (レス) id: 234f9e8ec0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白雪 | 作成日時:2018年5月13日 20時