＊精神的運動会 ページ31
なんだかんだ運動会のメインイベントといえば＿＿
"「それでは今から一時間、昼休憩になります。」"
"『鬼灯、お弁当広げるよー。大王の分もありますからね。』"
"「うわー美味しそう！毎年ありがとうね、Aちゃん。」"
"「……貴方達、仮にも運営側なんですからせめて放送を切るまで緊張感を持ってください。」"
お弁当の時間だろう。
業務連絡の後に響いたなんともアットホームなアナウンスに、精神的負荷で意気消沈していた獄卒達も張りつめていた緊張の糸を一気に弛めたのだった。
そしてそんないい意味で空気を読んでいない運営テントでは、Aが5段にもなる巨大な重箱を折り畳み式テーブルの上に広げていた。
『さぁ、どうぞ！白澤様と桃太郎君も一緒にどうかな？』
「謝謝、Aちゃん！相変わらずすごい豪華だねぇ！」
「うわ、美味そう！これ全部Aさんが作ったんスか！？」
「そうだよ。毎年、Aちゃんのお弁当がワシの一番の楽しみなんだ。」
「Aさんの料理はいつも美味しいですが、毎年この日は特に気合いが違いますよね。」
大量のおにぎりといなり寿司、卵焼きや唐揚げといった定番のものから、スコッチエッグや蓮根のはさみ揚げなど少し手の込んだものまで様々な料理が重箱いっぱいに詰め込まれている。しかもそれぞれが動物や花の形だったり可愛らしいピンが刺してあったりと、見た目にも華やかだ。
各々好きにおかずをつまみ、可愛い美味い家庭の味最高！とテント内は一気に賑やかになった。その様子を眺めながら、Aはお茶を注いだ紙コップを配りながら楽しそうに笑う。
すると紙皿に大量のおかずをキープした閻魔大王がほくほくとした顔でテーブルから離れてAの隣へやってきた。
「いやぁ楽しいね！毎年思うけど、こうして外でお弁当を囲むのってなんか家族みたいでいいよねぇ。」
『……ふふ、そうですね。だから気合いも入るんですよ。』
閻魔大王にとっては何気無い言葉だったのだろうが、それはAにとっては特別なものだった。
初めて獄卒大運動会が開催された時、彼は全く同じことを言ったのだ。Aと鬼灯と閻魔大王、3人で弁当を囲んで「家族みたいだね」と。
その後すぐに鬼灯がいつもよりムスリとした顔で辛辣な言葉を吐くのだが、それが照れ隠しだとわかっているAにはそれがとても温かい光景に見えたのだ。
『(来年もがんばろう。)』
夫と義父と過ごす団欒のために、Aは密かに来年への気合いを入れ直した。
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星の桜(プロフ) - 更新待ってました...！！！有り難う御座います( ；∀；)作者様のペースで！ゆっくりで！待ってます！！！ (2019年8月5日 12時) (
レス) id: 847ebd8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 最高でした！何度も読ませて頂いています！7回目ですかね…← まっ、それは置いといて、とっても面白かったです！更新頑張って下さい。応援してます！笑いや、イチャイチャ場面ご馳走様でした！鬼灯様可愛い…！！神作品ですね…文才寄越せ下さi(殴 (2018年8月28日 2時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
あーみ(プロフ) - 面白くて何回も読ませてもらってます！更新楽しみにしてます♪がんばってください(≧▽≦) (2018年8月13日 9時) (レス) id: eacb75658f (このIDを非表示/違反報告)
かりん糖（笑） - 面白い！更新応援してます！ (2018年5月26日 13時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
男にならざる物(プロフ) - 初めまして今日はじめて読ませていただいたのですがとても面白いですね。最近アニメを見始めてにわかですが楽しみに夢小説を楽しみにさせて頂いておりますそして気長に更新を待たせていだだきますこれからも頑張って更新して頂けると私も嬉しいです！ (2018年5月14日 14時) (レス) id: 234f9e8ec0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雪 | 作成日時：2018年5月13日 20時
