＿＿4 ページ26
『ほら、ご飯できてるから食べよう。シロちゃん達もよかったら一緒にどうかな？』
「え、いいの！？」
「やったぁ！ありがとうございます！」
「すみません、ご馳走になります。」
「………"ご馳走に成ります"」
「変換！そういう意味じゃないですから！」
賑やかにぞろぞろとリビングの和室へ移動する。食卓いっぱいに並べられた料理におおっと声を上げて喜ぶ三匹を後ろから眺めていると、鬼灯がそっとAの隣に並んだ。
「賑やかですね。」
『ね。こんなに賑やかなの珍しいし、ちょっと嬉しいな。』
「……子供がいればこんな感じでしょうか。」
『え、……え！？』
予想外の言葉に固まること数秒。その意味を理解した途端、珍しくわたわたと慌て出すAに鬼灯は他人には分からない程度に表情を緩めた。
二人は結婚して長いが、まだ子供はいない。それは何か深い理由があるわけではなく、単に忙しさ故だ。結婚当初は地獄の体制がまだ整い始めたばかりだったため勿論のこと、その後も現世の戦争や人工爆発によって多忙な毎日が続いている。そんな中でもしAが産休や育休をとることになれば……想像するだけで修羅場だ。そのため子供は暫く保留、と夫婦で意見が一致したのだった。
「嫌ですか？」
『嫌じゃない！…けど、その、いいのかな？』
「まぁ授かり物ですのですぐにとはいきませんが、正直待ってても地獄が落ち着くことはなさそうなので。」
『それは確かに…。』
お互いに遠い目で彼方を見つめる。勤続云千年になるが、この忙しい日々の終わりは未だに見えないのだ。
でも…とAはチラリと隣の夫の顔を盗み見る。
その涼しげな相貌には、出会ったばかりの幼少期の面影が残っている。そんな彼によく似た子供とともに親子三人で手を繋ぐ様子を想像してしまい、Aは少し頬を染めながら口元を隠して小さく笑みを溢した。
そんなAに気付いているのかいないのか、鬼灯は騒ぐ三匹に目を向けている。
「Aさんに似た女の子なんて可愛らしいでしょうね。」
『…私は鬼灯に似た男の子がいいけど。』
鬼灯も同じことを考えていたのだろうか。その言葉にますます嬉しくも可笑しくて、Aはつい吹き出してしまった。鬼灯はそれを不思議そうに見つめている。
きっと子供の性別がどちらだろうと今以上の幸せが訪れるのだろう。しかし＿
「『(そうなったら子供に嫉妬しそうだ。)』」
似た者夫婦に新たな家族が増える日はそう遠くない…のか？
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星の桜(プロフ) - 更新待ってました...！！！有り難う御座います( ；∀；)作者様のペースで！ゆっくりで！待ってます！！！ (2019年8月5日 12時) (
レス) id: 847ebd8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 最高でした！何度も読ませて頂いています！7回目ですかね…← まっ、それは置いといて、とっても面白かったです！更新頑張って下さい。応援してます！笑いや、イチャイチャ場面ご馳走様でした！鬼灯様可愛い…！！神作品ですね…文才寄越せ下さi(殴 (2018年8月28日 2時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
あーみ(プロフ) - 面白くて何回も読ませてもらってます！更新楽しみにしてます♪がんばってください(≧▽≦) (2018年8月13日 9時) (レス) id: eacb75658f (このIDを非表示/違反報告)
かりん糖（笑） - 面白い！更新応援してます！ (2018年5月26日 13時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
男にならざる物(プロフ) - 初めまして今日はじめて読ませていただいたのですがとても面白いですね。最近アニメを見始めてにわかですが楽しみに夢小説を楽しみにさせて頂いておりますそして気長に更新を待たせていだだきますこれからも頑張って更新して頂けると私も嬉しいです！ (2018年5月14日 14時) (レス) id: 234f9e8ec0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雪 | 作成日時：2018年5月13日 20時
