三匹が逝く! ページ23
「え。鬼灯様、今日お休みなの?」
『二日続きで徹夜だったからね。多分まだ寝てるんじゃないかな。』
「いつも多忙だしねぇ。ちゃんと休ませないと効率も悪いし。」
その日、地獄一多忙な第一補佐官は珍しく丸一日の休日を言い渡されていた。ここ最近の睡眠不足を解消するべく、Aが出勤する頃にはまだぐっすりと夢の中だった。
「えー、せっかくお話しに来たのにな。あ、じゃあA様は?暇?遊ぼ!」
『ごめんね、まだお仕事があるんだ。』
「なんで暇だと思ったんだよ、お前は…。」
「鬼灯様が休みなんだから、A様もいつもよりお忙しいに決まってんだろ。」
矛先をAに変えるもあえなく撃沈。
シロはしょんぼりと耳を垂れさせた。
「うーん…まぁもう昼だし起こしてもいいと思うけど……ヘタに起こすと一瞬にして君の顔の形が変わるかも…。」
「何をされるの!?」
慄くシロ達に、閻魔大王は視察の際に同じ部屋に泊まった時の話を語りだす。キックボクサー以上の鬼神のローキックに三匹は更に戦慄するが、Aは呆れ気味だ。
『それは大王も悪いですよ。朝四時にそんな理由で起こされれば誰だって苛つきます。』
「うう……それは反省してるけどさぁ。」
『まぁもし昼間ならカブトムシとクワガタの群れには反応すると思いますけど。』
「男はいつまでも少年の心を忘れないものだよね!」
一般的な成人男性の例に漏れず、案外小学生男子の心を忘れていない鬼灯のことだ。きっと昼間にその群れを見つけたなら、捕まえはしないものの、いつもの仏頂面のままじっと観察するのだろう。
ちなみにルリオが提案したアメリカンホームドラマの犬のような起こし方も割りと好きそうだ。"擽ったそうに笑いながら起きる"なんてことはないだろうが。
「とりあえず行ってみたら?この奥の寮に住んでるから。』
「え、いいんですか?」
『大王、またそんな勝手に……まぁいいか。よかったら私が案内するよ。寝てばかりでも良くないし、そろそろ一度起こして何か食べさせようと思ってたから。』
「やったぁ!A様が一緒なら安全だね!あ、閻魔様も一緒に「絶対行かない!逝かない!」…安全じゃないの!?」
閻魔大王のあまりの拒絶に再び恐怖に怯える三匹。しかしそこまで恐れられる鬼灯の部屋に好奇心を擽られているのも確かだ。
そうして三匹は寮の入口へ誘うAの後ろにおそるおそる続いていった。
248人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼灯の冷徹」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星の桜(プロフ) - 更新待ってました...!!!有り難う御座います( ;∀;)作者様のペースで!ゆっくりで!待ってます!!! (2019年8月5日 12時) (レス) id: 847ebd8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 最高でした!何度も読ませて頂いています!7回目ですかね…← まっ、それは置いといて、とっても面白かったです!更新頑張って下さい。応援してます!笑いや、イチャイチャ場面ご馳走様でした!鬼灯様可愛い…!!神作品ですね…文才寄越せ下さi(殴 (2018年8月28日 2時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
あーみ(プロフ) - 面白くて何回も読ませてもらってます!更新楽しみにしてます♪がんばってください(≧▽≦) (2018年8月13日 9時) (レス) id: eacb75658f (このIDを非表示/違反報告)
かりん糖(笑) - 面白い!更新応援してます! (2018年5月26日 13時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
男にならざる物(プロフ) - 初めまして今日はじめて読ませていただいたのですがとても面白いですね。最近アニメを見始めてにわかですが楽しみに夢小説を楽しみにさせて頂いておりますそして気長に更新を待たせていだだきますこれからも頑張って更新して頂けると私も嬉しいです! (2018年5月14日 14時) (レス) id: 234f9e8ec0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白雪 | 作成日時:2018年5月13日 20時