いかにして彼らの確執は生まれたか ページ14
「ハイどうぞ。白澤さんにお渡しください。」
「はい。…………。」
「『？』」
その日は桃太郎が桃源郷の決算報告にきていたのだが、鬼灯の確認印をもらった後もじっと鬼灯を見つめたまま動かない。その様子に鬼灯も、隣で仕事をしていたAも首を傾げた。
『桃太郎君、どうかした？』
「あ、イヤ……やっぱり鬼灯さんって白澤様に似てるなって思ったんです。目が切れ長で…。」
ガッ！！
その瞬間、鬼灯の右拳が勢いよく傍らの柱を抉った。
「…申し訳ございません。気にしないでください。」
『いや、無理でしょ。』
突然の暴挙に顔を青ざめさせて固まる桃太郎に謝罪しつつ、右手をそっとさする鬼灯。
ああ、痛かったんだ…。
なにか冷やすものを、とAはそっと執務室を出た。
『(嫌いなのにいちいち反応するんだもんなぁ。逆に仲がいいんじゃないかって気がしてきたよ。)』
そんなこと本人には絶対に言えないが。言ったとしても閻魔大王のように物理的な制裁は加えられないだろうが、彼は盛大に顔を歪めることだろう。
しかし昔から冷徹な彼がどんなかたちであれ珍しく感情を顕にする様子は嫌いではない。今度機会があれば言ってみようか。不快な思いをさせたいわけではないが、やはり嬉しくて愛しくて止められない。
その時を想像しながらAは今にも鼻唄でも歌いだしそうな上機嫌で食堂へと向かうのだった。
『鬼灯、氷嚢もってきたよ。そんなに酷くはないようだけどちゃんと冷やして、血が付くといけないから絆創膏も貼ってね。』
「Aさん……ありがとうございます。」
「ちょくちょくお母さん節が出るのは鬼灯君だけど、Aちゃんはその大人の余裕がリアルなお母さん感を演出してるよね。」
『年を重ねると誰でも身に付くものですよ。』
「あ、そっか。Aさんって神様だから見た目より大分歳上なんですよね。じゃあ親善競技大会の時もいらっしゃったんですよね？」
『親善競技大会？』
唐突な質問に首を傾げるAに閻魔大王と桃太郎がこれまでの話の流れを説明した。どうやら鬼灯と白澤の間に決定的な確執が生まれた千年前の大会の話をしていたらしい。
『ああ、そんなこともあったねぇ。』
「鬼灯さんも白澤様もかなりモテてたんですよね？小野小町が鬼灯さんに和歌を送ったり…正直面白くなかったんじゃないですか？」
『それはないかなぁ。年下の女の子相手にむきになるのも…ねぇ？』
「死後数百年は経とうかという歴史的美女も"女の子"扱いか…。」
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星の桜(プロフ) - 更新待ってました...！！！有り難う御座います( ；∀；)作者様のペースで！ゆっくりで！待ってます！！！ (2019年8月5日 12時) (
レス) id: 847ebd8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 最高でした！何度も読ませて頂いています！7回目ですかね…← まっ、それは置いといて、とっても面白かったです！更新頑張って下さい。応援してます！笑いや、イチャイチャ場面ご馳走様でした！鬼灯様可愛い…！！神作品ですね…文才寄越せ下さi(殴 (2018年8月28日 2時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
あーみ(プロフ) - 面白くて何回も読ませてもらってます！更新楽しみにしてます♪がんばってください(≧▽≦) (2018年8月13日 9時) (レス) id: eacb75658f (このIDを非表示/違反報告)
かりん糖（笑） - 面白い！更新応援してます！ (2018年5月26日 13時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
男にならざる物(プロフ) - 初めまして今日はじめて読ませていただいたのですがとても面白いですね。最近アニメを見始めてにわかですが楽しみに夢小説を楽しみにさせて頂いておりますそして気長に更新を待たせていだだきますこれからも頑張って更新して頂けると私も嬉しいです！ (2018年5月14日 14時) (レス) id: 234f9e8ec0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雪 | 作成日時：2018年5月13日 20時
