＊地獄不思議発見 ページ12
ある日の夕食時……をそれなりに過ぎた頃、Aは閻魔殿にある補佐官用の執務室にて山のように積まれた書類の処理に追われていた。
『えーっと…明日の裁判の資料には目を通したし、黒縄の財政再建案もまとめた。あとは来週の会議の準備と……』
おおよその目処がついたところで時間を確認すると、そろそろ夕食を摂りに行った鬼灯が戻ってくる頃だ。彼が出ていってすぐに閻魔大王も食堂へ向かったようだから、もしかすると一緒に食べているのかもしれない。ちなみにAは先に夕食を摂って、鬼灯と交代した後だ。
そうこうしている内に、法廷の方で声が聞こえてきた。どうやら予想通り二人一緒に戻ってきたようだ。
なにか言い争っているようにも聞こえるが、まぁいつものことだ。Aは気にすることなく、いくらかの書類を携えて執務室の扉を開けた。
『二人ともおかえりなさい。大王、こちら追加の書類です。明日の午前中には目を通して…「Aさん！オーストラリア行きますよ！」……は？』
突然どうした。
珍しくハイテンションな鬼灯に言葉を遮られ、Aは首を傾げる。
「オーストラリア旅行が当たったんです！有休は取って行きましょう！」
「だからワシも連れてけよ！」
「だから嫌だって言ってるでしょう！補佐官が二人同時に休むのに貴方までいなくなってどうするんですか！」
「身代わりかよ！」
「たまには自分も必死に仕事してみろ！死なないんだから！」
二人の会話からなんとなく状況は察することができた。おそらくまた世界の不思議を探すあの番組だろう。
「(鬼灯と旅行……そうか、旅行か。)」
ようやく思考が追い付いたAは未だ大王と言い争う鬼灯の袖を後ろからそっと引いた。
『……二人きりで旅行なんて何百年ぶりかな。楽しみだね。』
頬を染めてはにかむA。
その表情からは溢れんばかりの喜びが伝わってくる。
その様子に鬼灯と閻魔大王も思わず黙りこんでしまった。
「そういえばさっき鬼灯君が言ってた女の子の好みって…」
「Aさんそのままです。」
「……確かに単純な男なのかもね。」
「自覚はあります。」
『？』
「(というより彼女を好きになったから彼女が好みになったのかな。)」
Aと旅行の日程について相談し始めた鬼灯はもう大王など眼中にない。
しかし二人の幸せそうな様子に、閻魔大王もたまにはいいかなと微笑ましそうに笑みを溢すのだった。
まぁそんな気持ちも彼ら不在の4日間で後悔することになるのだが＿＿。
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星の桜(プロフ) - 更新待ってました...！！！有り難う御座います( ；∀；)作者様のペースで！ゆっくりで！待ってます！！！ (2019年8月5日 12時) (
レス) id: 847ebd8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 最高でした！何度も読ませて頂いています！7回目ですかね…← まっ、それは置いといて、とっても面白かったです！更新頑張って下さい。応援してます！笑いや、イチャイチャ場面ご馳走様でした！鬼灯様可愛い…！！神作品ですね…文才寄越せ下さi(殴 (2018年8月28日 2時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
あーみ(プロフ) - 面白くて何回も読ませてもらってます！更新楽しみにしてます♪がんばってください(≧▽≦) (2018年8月13日 9時) (レス) id: eacb75658f (このIDを非表示/違反報告)
かりん糖（笑） - 面白い！更新応援してます！ (2018年5月26日 13時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
男にならざる物(プロフ) - 初めまして今日はじめて読ませていただいたのですがとても面白いですね。最近アニメを見始めてにわかですが楽しみに夢小説を楽しみにさせて頂いておりますそして気長に更新を待たせていだだきますこれからも頑張って更新して頂けると私も嬉しいです！ (2018年5月14日 14時) (レス) id: 234f9e8ec0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雪 | 作成日時：2018年5月13日 20時
