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出逢い ページ1

高校二年生、みんなが華やかなわけじゃない


自称進学校の私立に通う私は土曜もしっかり6時間授業



ガラガラの電車に重いカバンを持って乗り込み

毎日同じ場所にいる男の人の前につり革を持って立つ



髪の毛切ってるな〜とか、初めて見るネクタイとか

2年に上がる頃には気持ち悪いぐらいその人を覚えていた




" 京橋 京橋 "

"お降りの際は 足もとに気をつけて ・・・



あぁ、降りないと


と思ったのもつかの間、空いていた鞄からプリントが
バサバサっとでてくる


慌てて拾っていると前から伸びてくる手
毎日見る顔、近くで見たらめちゃくちゃかっこいいな



「はい、あー、降りれんかったね」


「京橋で降りたかったんやろ?」


「、、え」



ドラマのような展開にときめいてる暇はなく

電車は走り出して、駅感が狭い環状線はすぐに大阪城公園へつく


「あ、すいません、」

「降りるで」



私の手首を掴んで人をすり抜け、ホームに降りる


「戻らななぁ」


当たり前のように呟いた彼に手首は掴まれたまま
私は抵抗もしないまま反対側のホームにきていた





「最悪」

「ついてへんね」


環状線の内回りは運悪く6分遅れてて

なんとか学校には間に合う程度だった



「あ、お仕事大丈夫なんですか?」


「大丈夫大丈夫、」


「用事、、とか、」


「いやーー、別になんもないけど」


なんで一緒にいるんですか、とは聞けず

一応初めましてな私達は勿論話すことなんてなくて

思い沈黙が2人のあいだに流れた



10月の気持ちいい風が、私のスカートを揺らす



6分なんてすぐに過ぎるから
ホームには電車のくる音楽が流れ始めた


「なぁ、、さ、、らん?学っ、、」

「え?」


電車の音にかき消されよく聞き取れなくて
私は来た電車に乗ろうと足を踏み出す


満員電車に片足を乗せたところでいきなり重心が後ろに引っ張られ、その瞬間だけスローモーションになった気がした



電車はあっという間にドアを閉め走り去り
私たちだけがホームに取り残されていた



何が起こったのか分からなくて、戸惑った顔で
振り向くと、彼も自分のした事に驚いていた


私はそこで、さっき微かに聞こえた言葉が蘇る

" サボらん?学校 "



「サボらん?学校」


脳内で電車の音と共に再生されていた声が、たった今目の前にいる彼の口から発せられ

私は反射的に答える


「サボる」


彼は目を細くし、ゆっくり微笑んだ

サボり→



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ぬう(プロフ) - 世現身(。。)さん» コメントありがとうございます。締めくくりまで頑張らせてもらいます! (2019年1月13日 22時) (レス) id: 8ea0f04396 (このIDを非表示/違反報告)
世現身(。。) - 丸山さぁぁん、、 ストーリーの進め方とかめっちゃすきです!応援してます! (2019年1月8日 20時) (レス) id: 85930732e3 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 倉安LOVEさん» 亮ちゃんとの関係もしっかり書かせてもらいます!丸ちゃんサイドものちのちだしますね〜 (2018年11月30日 23時) (レス) id: 8ea0f04396 (このIDを非表示/違反報告)
倉安LOVE - 亮ちゃんと付き合ってほしいなぁ。丸ちゃんはどんな気持ちなのかなぁ? (2018年11月5日 1時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 倉安LOVEさん» コメントありがとうございます。楽しんでもらえるようにがんばります! (2018年10月27日 21時) (レス) id: 8ea0f04396 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぬう | 作成日時:2018年10月14日 23時

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