アイを伝えたい

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＊ Hamada side


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「 … ここね、わたしにとって大切な場所なんです 」


Aさんは遠くを見つめたまま、いつもの優しい声で言った。









「 学生の頃好きだった人と、よく散歩してて 」






「 … 幸せだったんです、

こんな日がずっと続いたらいいな、って 」









「 だけど… 気付いてあげられなかった 」







… 自ら命を絶ったという。

Aさんには何も言わず、ひとりで居なくなった。









「 わたしの前ではいつも笑っていたから、 」


これが、Aさんがカウンセラーを目指したきっかけ。








「 あのときの償い、みたいなものかもしれません 」




…人の心を知ろうと思ったら、

あの日の彼の心にも近づけるんじゃないか、って









Aさんは哀しげな表情をしていたけど、

目は迷いのない、真っ直ぐな目をしていた。









「 …それに、まだ何かしてあげられるなら

手を差し伸べてあげたいと思うんです 」






前を向いていた彼女の顔がこっちを向いて、
その真っ直ぐな瞳は俺を捉えていて

手を握ってくれた。



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… この人には敵わない、と思ったんやろか

心を開きたい、ってやっと思ったんやろか






それとも ________________






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「 … 生きたい 」



気付けばこう口に出していた。

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