兄に財布届けたら、紅白頭に恋されました【轟焦凍】 (ページ6)

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第5話　混乱の昼食ページ6

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………私はなぜ、今轟くんとお昼ご飯を
食べているのでしょうか。

─────それは、数十分前に遡る。

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轟くんの爆弾発言事件の後、私は逃げるように
1Cに戻った。

なるべくもう轟くんと会いませんようにと願いながら。

それなのに。

『は、え、轟、くん……？？』

友達と学食に行こうと教室から出たら、轟くんが立っていた。
私の隣に居た友達の寝々子は私以上にびっくりしてて。

寝「A……アンタ‥‥こんなイケメンの彼氏が
　居たの……？？」

違う、と否定する間も無く。

寝「や〜だぁ、それならもっと早く言ってよ〜！！
　キャ〜！！」

寝々子が赤面しながら黄色い声を上げ、私の背中をバン！！と叩いた。

『へブゥ！！？？』

力強っ。ゴリラかよ。

寝「じゃあ私は他の子と食べてくるから！
　お二人とも、ごゆっくり〜♡」

轟「嗚呼、助かる。ありがとう」

………は？？

ハァァァァァ！！？？((

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……で、今に至る。

隣の轟くんをチラッと見ると、真顔で蕎麦を啜っていた。

………うーん、やっぱり表情読めないなぁ……

『あの、さ。轟くんは、どうして私のことが
　好きになったの？』

沈黙に耐えられずに、私が聞く。

すると彼はこっちを向いて赤面もせずにサラッと答えた。

轟「……一目惚れだ。」

そう言ってまた前を向き、蕎麦を啜る。

……え？？

いやこの人、ホントに私のこと好きなのか？？

もーなんなのこの人！！

むしゃくしゃした私は轟くんと同じく前を向き、牛丼を掻き込んだ。

やっぱ美味し。牛丼。

混乱する私の心を牛が温かく包み込んでくれてる。(？？)

私が掻き込んでいたどんぶりから顔を離すと。

轟くんがおもむろにこっちを向き、私の口についている

米粒を指で拭った。

轟「……米粒、ついてるぞ。可愛いな」

そう言って微笑み、ペロッとその米粒を舐め取る。

…え、んぇ、え？？は？？

自分の顔が熱くなるのが分かる。

この人‥‥天然タラシだ……！！

ドキドキする心臓を抑えながら、私は俯いて
溜息を吐いた。

と、その時、後ろから物凄い殺気を感じた。

　「オイ、半分野郎……

　テメェ、人の妹に何してんだ？？」

─────あ、これ轟くん死んだな。