兄に財布届けたら、紅白頭に恋されました【轟焦凍】 (ページ12)

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第10話　しつこいページ12

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『…………』

轟「…………」

ん？

……何で朝に、轟くんが私の家の前に居るんでしょうか？

『あのー……まさか、朝も一緒に行くとか言わないよね？』

轟「？そのつもりだが」

…コイツは何で私にこんなに執着してるんだ……

私は思わずげっそりした。

『……何で私にそんな執着してるの。初対面なのに』

轟「！………何で、だろうな」

………？？

轟くんがほんの一瞬だけだけど、
寂しそうな顔を見せた。

…まあいっか…。

私は深く考えないことにした。

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歩いていると突然、轟くんがギュッと手を繋いできた。

『！？ちょ、何やってんの！？』

轟「何って、手繋いでるんだが」

『いや何当たり前のことみたいに言ってんの！？』

轟「嫌か？」

『嫌』

私が轟くんを睨みながらそう言うと、
轟くんは「そうか」と言ってあっさり手を離してくれた。

…一応優しいんだけどなぁ……なんか抜けてんだよなぁ……

『轟くんって何か抜けてるよね』

轟「お前もだぞ？」

『えっ』

嘘……

自分結構しっかりしてる方だと……((

そんなことを話していたら、学校の前に着く。

あ、そういえば。

『ごめん、私ちょっと用あるからバイバイ』

轟「おう」

轟くんと別れて、校舎裏に回る。

『あ、居た心操』

心「！……何でAがここに居るの」

案の定、心操は校舎裏に居た。

それもそのはず。

『んで、その後ニャンコ調子どう？大丈夫？』

心「うん、元気そう」

この前、よく心操と可愛がっていた猫が子猫を産んだのだ。

その時は一旦心操の家にお邪魔して、必死で子猫の世話をした。

『いやーあの時は焦ったわー』

心「俺も冷や汗ヤバかった」

それからというもの、朝はよくこっそり子猫の様子を見に来ている。

『心操、ちょっとニャンコ貸して』

心「ん」

『ありがと』

ふわふわの毛並み。お日様の匂い。

猫好きの私にとっては一言で言うと「癒しの塊」だ。

『あーもー可愛いな〜！！』

「ンナァー」

思わず子猫をギュッと抱きしめる。

心「………」

『？心操どした？』

私が猫と戯れていると、心操がジッと私の事を見てきた。

心「……いや、別に」
、

心(………ちょっとだけ猫が羨ましいな、なんて)