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「ほらAちゃんも飲んで！」
『…はい』
「ほら！可愛いんだから顔上げなよ〜！」
『あはは…』
とある都内の居酒屋。所謂合コンというものに参加しているのにも関わらず、いまいち楽しめない私。あまり仲良くもない大学の同級生に誘われてやってきた。人数合わせなんだろうけど。慣れない空間にお酒が相まってもっと居心地が悪く感じる。
「あ！今からもう1人増えるから！バイト先の友達！イケメンだよ！」
「本当〜！？メイク直そっと！」
イケメンでもなんでもこれがもっと騒がしくなるのは辛い。早く帰りたいな…。と、早く帰れる言い訳を考え始める。
「母親が倒れて…」うーん。信憑性がないなぁ。「ほ、発作が！」私の演技で騙せるだろうか。「用事を思い出した」まぁこれが無難だろう。
『ごめんなさい、用事を…』
「ごめーん。遅れた！」
私が喋るとそれを遮るように扉が開き、綺麗という言葉では形容し難いとても綺麗な顔の人が個室に入ってきた。
さっき藤木君が言っていた人だろうか。独特のオーラで同学年の男子より落ち着いた雰囲気でモノトーンの洋服がよく似合っていた。
紫耀「こんばんわぁ」
「え！？何このイケメン！？」
分かりやすくテンションが上がる女性陣。当たり前の反応だ。街で見かけても振り向くレベルだと思う。藤木君は劇団でバイトでもしてるのか？若手俳優と言われても疑わない。いや納得するくらいだ。
「紫耀くんっていうの〜？」
紫耀「そうだよ〜」
「お仕事は〜？」
けれどあんなに綺麗な顔なのにこういう集まりに来るんだな…と少しガッカリというか夢が崩れたなあ。と勝手に思いながら平野さんを見ていると、パチッと目が合った。
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作者名：しゃけ | 作成日時：2023年1月26日 20時
