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引き止めよろしく ページ18

簡単な聴取を終わらせ、6人はダッシュで風呂場へ駆け戻る。

時間は45分、聴取を5分かからずに終わらせたとはいえ、移動に時間はどうしてもかかる。

「なぁこれ終わるのか!?掃除!!」

「バカ!終わるのかじゃなくて終わらせるんだよ!」

「でも時間ないよ……!15分じゃとてもじゃないけど……」

脱衣所の扉を開け放ち、靴を脱ぎ捨てて中へ滑り込む。

「わかった!!じゃあ私と萩原で全力でモップ使うから、ヒロは流して!松田と班長は分担して浴槽!
んでゼロ!」

モップを足で蹴りあげて、それを掴む。

「ゼロは脱衣所頼む!!で、もう一個役割!」

「何だ?」

ゼロにしかできない役割、それは

「終わったら教官の足止めを頼む!」

「ぼ、僕が!?」

話しながらも、モップでガシガシと床をこすっていく。
この際、端の方やある程度綺麗なところは放置。
土汚れが溜まっているところや、目立って汚れているところを洗い流していく。

「確かに!降谷ちゃんしか教官止めれないかも!!」

「ゼロ!オレからも頼む!」

「足止め失敗したら、俺らまとめて退職だぞ!」

「お前にしか出来ねぇ!ゼロ!!」

「頼む!5分でも伸ばしてくれれば何とかするから!」

お湯を床に足でぶちまけながら、懇願する。

「〜〜っ!わかったよ!!変わりに今度昼飯奢れよ!」

「もちろん!」

「助かる〜!!」

「さっすがパツキン大先生!」

ビシッと指をさして、ゼロは脱衣所への扉を閉じた。

その背中を見送って、汚れがまだ残る床を睨んだ。

−−−−

「はぁ……な、何とか終わったァ…」

「教官まだ来てない……降谷ちゃんがちゃんと足止めしてくれたみたい………」

「も、無理……オレ動けない…」

「俺もだ…」

ズルズルと奥の方で座り込んだ班長のそばに5人で集まる。

「はんちょー…疲れた……」

「俺もーー」

そのまま、その広い背中に寄りかかるように座り込んだヒロが、大きく欠伸をする。
それにつられたのか、萩原や班長までも欠伸をしだした。

「……あー…オレ…寝そう……」

言うが早いか、ヒロはその目を閉じていた。

「俺も眠い…」

「あっずりぃ……俺も寝る……」

「あっ、おいお前ら!寝るな!」

班長を枕にするかのように、萩原、松田も掃除したばかりの床に寝そべり、あっという間に眠ってしまった。

「…どうする新宮」

「どうもこうも…


…………寝るか?」


後ほど、教官を引き止めていたゼロが帰ってくると、同じように班長、Aも眠っていた。

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作者名:しゃ〜け | 作成日時:2022年12月28日 21時

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