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昼休み ページ8

食事の後、割と長めの昼休みで特にやることも無く、私は諸伏景光……もとい、(ヒロ)に着いて歩いていた。

「えっ、それじゃあ松田の親父さんは誤認逮捕だったってこと?」

「そうそう、でもそのせいで陣平ちゃん警察のことすごい恨んでてさあ」

何となく聞いていたのは、松田の父親について。

元ボクサーだったらしいが、事件の犯人として間違って逮捕され、後に真犯人が捕まったが、逮捕されたせいで夢をふいにしたらしい。

確かに警察を恨むには十分な理由だ。

……じゃあなんでわざわざ警官目指してるんだろう。

(まぁそんなこと、私の知ったことじゃないか)


「じゃ、俺はやる事あるから。」という萩原と別れ

「ヒロはこの後どこに?」

「俺は……ゼロを探そうかな」

「そうか。じゃあ私はどうしようか…」

「一緒に着いてくる?」


そう提案されたが、断って自室へと歩いた。

階段を上がって数歩、不意に影が落ちて顔を上げた。

「何だまたお前か」

「こっちのセリフ」

はぁ、とため息をついて階段をさっさと上がる。

「おい」

「……何」

同じ段に来た時に呼び止められる。

「お前、夜中なんでわざわざあそこにいたんだ」

聞かれたのはそんなこと。


「物音がして目が覚めたと思ったら、人が殴り合う音がして、見に行ったらお前がいたんだよ」

「ただ見に行ったんなら、なんでガーゼなんか持ってんだよ」

「ん?ガーゼは…………」


そこまで言って、口を噤んだ。

「…………なんだよ」

「なんで私ガーゼを持っていったんだ?」

「はぁ?」


あれ?そういえばそんなこともあったな。
ガーゼや絆創膏なんて、部屋に常備分があるはずだし、
足りなければ医務室からとって来れる。


あれ?どうして…?

「……悪い、ちょっとわかんない」

「なんだよそれ、訳わかんねぇやつだなほんと!」

呆れたようにそう言って松田は階段を下っていく。
その背中を不思議そうに見送って、段差をまた昇った。


「あー………おい、新宮」

また背中を呼び止められ、振り向く。


「………ありがとよ」


「……?どう…いたしまして」



礼に返して、Aは頭に疑問符を浮かべたまま、ポケットに手を突っ込んで去っていく松田の背中を見送った。

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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜!!!面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです!!頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜!! (2022年12月27日 1時) (レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です!面白い!これからも無理せずに更新頑張って下さいね!応援してますぅぅぅ! (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゃ〜け | 作成日時:2022年12月19日 2時

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