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名前 ページ7

場所は食堂。

いつもは教場事に分けられてるため、この時間はどうしても普段より明らかに人が多い。

受け取った昼食のコロッケが乗ったプレートを手に、座れそうな場所を探す。

だが、この混みあった時間に空いているところなどそうそうあるわけがなかった。

「…出遅れたな」

とりあえずどこかがあくまで端の方で待っていよう。

「あれ、新宮さん」

「ん……?
ああ、諸伏くんか。」

声をかけてきたのは、先程外周で隣を走っていた諸伏だった。

「ひょっとして、席あくの待ってる?」

「まあ……知らない人の隣で食べるほど肝は座ってないんでね」

人見知りとかでは無い。知らない奴の話を聞きながら食事をする気がないだけだ。

「そっか………じゃあ俺と一緒に食べる?」

「え?」

驚きの誘いだ。

「俺と、って言っても、ゼロも一緒なんだけど」

ゼロ……ああ、あの降谷とか言うやつか。


一瞬周りを見渡す。
空いてる席はチラホラあるが、どこも知らない人間に挟まれる。

………であれば、多少なりとも同じ教場の人の方がまだ気が楽だ。

「じゃあ………よろしく」

プレートを持ったまま、頭を下げた。


諸伏に連れられて、向かった先にいたのは


「警察なんて……クソ喰らえってな!!」


寄りにもよって警察学校で警官に悪態着くやつなんて見た事がない。

「ゼロ。隣いいか?」

「ああヒロか。それと……」

「邪魔する」

また頭を少し下げて、諸伏の隣に腰を下ろす。

「……で、それどういう事だよ」

「なんだっていーだろーがよ」

どうやら松田は降谷と話していたらしい。

それにしても何を話せばそんな会話になるのかが甚だ疑問だ。

というか、そこ2人は昨日殴り合いしてたんじゃないのか?

もくもくと白米を口に運びながらそんな事を考える。

「あのさ、新宮さん」

おかずももう残り少しというところで、隣から声がかかる。

「新宮さんって、その」

もぐもぐと動かしていたそれを飲み込み、「何?」と聞き返す。

「下の名前、なんて言うの?」

「………言わなかったっけ」

「多分」

「…………A」

「そっか!ありがとう」

「どういたしまして……?」

感謝される理由は分からない。

だがこの時に名前を教えたことを、後で少し後悔したかもしれない。

「え、新宮ちゃんって下の名前、Aちゃんって言うんだ〜!かーわいい!」

「…普通だと思うけど」

「ねえ!今度からAちゃんって呼ぶね!俺は研二でいいよ!」


「……萩原」

昼休み→←彼の主張



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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜!!!面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです!!頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜!! (2022年12月27日 1時) (レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です!面白い!これからも無理せずに更新頑張って下さいね!応援してますぅぅぅ! (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゃ〜け | 作成日時:2022年12月19日 2時

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