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5人である程度手分けして、もう一度思い当たるところを訪れる。

部屋、教官室、食堂、風呂場、事務室などなど

「ぜんっぜんいねぇ」

不機嫌そうに眉をひそめた松田に、降谷も顎に手を添えて唸っていた。

「思いつくところは全部見て回ったのに……ヒロたちどころか誰も姿を見てないなんて」

「事務のおばちゃんが言うには、外出届けは出されてないんだろ?なら寮内のどっかにいんだろ」

こうなりゃ全部屋総当りで……、と呟く松田に、ふととある場所の存在を思い出した。

「松田、屋上って見たか?」

「屋上だァ?こんな雨の中屋上で何してるってんだよ」

「それに、さっき外出るような天気じゃねえって諸伏も言っていただろ」と続けるが、しばし黙ったあと頭を振った。

「……わんちゃんあんのか?」

「確認だけしに行ってみるか」

外は既に夜の帳が落ち、遠くに見える街明かりが曇った空を照らしていた。

ジリジリと音を立てる蛍光灯の階段を特に話すことも無く2人で上がっていく。

「なぁ、降谷」

「なんだ?」

「ちなみにここにあいつが居なかったらどうする?」

少しだけ考え込むように間を開けて、降谷は口を開いた。

「とりあえず、鬼電かな」

「ふはっ、マジかよ、案外容赦ねーのな」

「まぁそれで連絡が着くならいいんだけど。さっきから一切反応無いし、特に何も無いといいんだが……」

「俺の方もダメだ、メールも既読つくどころか、開封すらされてなさそうだし」

携帯を片手に、松田はまた不機嫌そうにぼやいた。
いつもならAは、講義などでなければ、遅くとも10分ほどすればすぐに連絡がついた。

「……心配だな」

「そうだな」

独り言を松田に拾われるが、心配している、というのはそのすこし寂しそうな表情からも理解出来た。

「……松田って、Aのことどう思ってるんだ?」

ふと口から出たのはそんな言葉だった。
だが松田の反応は思っていたよりも大きく、きょとんとした顔を見せたかと思うと、みるみるうちに赤くなっていく。

「松田?」

「たっ……ただの仲良い同期だよ!

……まぁちょっとは可愛いとは思うけどよ」

「え…あっ!」

もごもごと口を閉じながら気まずそうに視線を逸らしたかと思うと、松田は階段を1段飛ばしで駆け上がっていく。


そんなことをしながらようやく着いた屋上の前、
居ないだろうとタカをくくって、少し思い鉄扉を開いた。



「おい…ゼロ」

「ああ……


A!」


雨に打たれながら屋上の端近くでしゃがみこんでいる

Aはそこにいた。

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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜!!!面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです!!頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜!! (2022年12月27日 1時) (レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です!面白い!これからも無理せずに更新頑張って下さいね!応援してますぅぅぅ! (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゃ〜け | 作成日時:2022年12月19日 2時

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