探し人 ページ47
「なぁ、誰かA見なかったか？」
談話室の机の上にノートを広げ、Tシャツ姿のままワイワイと何か談義している松田達に、降谷は声をかけた。
「Aちゃん？」
「見てねぇけど……」
首を振る2人に、降谷は「困ったな…」と零しながらポケットから何かを取りだした。
「どうしたの？降谷ちゃん」
「いや…さっきぶつかった時にAが鍵を落として行ったから。用事があって急いでたみたいだし、戻ってきた時に渡そうかなって思ってたんだが……
そうか…ここにも居ないか……｣
特にキーホルダーなども着いていない、部屋番号のシールが貼られているだけのシンプルな鍵を見つめ、降谷は軽くため息をつく。
「部屋は？」
「行ったんだけど居なくて……
事務員さんと一緒だったからそっちにも行ってみたんだけど、もう20分くらい前に出ていったって聞いて」
「ふーん……あっ」
話を聞いていた萩原が、なにかに気づいたように立ち上がると、談話室の外へ。
しばらくしてから小走りで戻ってくると
「今聞いてみたんだけど、どうやら風呂場にもいなかったってさ」
「お前……聞いてきたのかよ」
呆れた表情の松田に、降谷は肩を落とす。
「あれ？ゼロ達集まって何してるの？」
不意に声をかけられ振り返ると、ちょうど風呂をあがったのか、タオルを手にしたままの諸伏と伊達班長が居た。
再度事情を説明するが、2人とも姿を見ていないと首を振った。
「外でなんか買い物でもしてんじゃねーの？」
「あ、それはあるかも。門限まで2時間くらいあるし」
時間は6時半を少し回った程度、確かに外にいてもおかしくは無い。
「でもこの雨にわざわざ外に出るのは…ちょっと無いんじゃない？」
「そうだな……しかもA、よっぽど急いでたのか部屋着で裸足のままだったからな」
「部屋着の上に裸足！？そ、そりゃあ絶対外は無いな……」
しかもこの時間帯は、基本的に寮生は訓練棟へは立ち入ることは出来くなる。
「教官に呼ばれたとか」
「裸足でか？」
「うーーーん……無いなぁ」
4人も首を捻っている。
「あー……クソ、わかったよ！！こんなんじゃ全然勉強になりゃしねぇ……
とっとと探すぞ、場所は限られてんだろ」
ガタンッと立ち上がった松田は、そのままスタスタと談話室を出ていく。
「あ、おい松田！」
降谷もその後を追うように談話室を後にする。
「しゃーない、俺達も探そっか」
残された3人もまた、荷物を片手に談話室から立ち去った。
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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜！！！面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです！！頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜！！ (2022年12月27日 1時) (
レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です！面白い！これからも無理せずに更新頑張って下さいね！応援してますぅぅぅ！ (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃ〜け | 作成日時：2022年12月19日 2時
