暴走トラックと ページ39
アクセルを踏み込んだまま、トラックはだんだんとスピードを上げていく。
「班長!このままじゃそのうち追いつけなくなる!!」
「分かってる……!新宮!お前は消防と警察に連絡してくれ」
了解と頷き、既に手にしていた携帯でそれぞれへ連絡を取る。
だがその間にもトラックは直進を続ける。
このままだと、大事故になるのは目に見えていた。
(今のうちにトラックに飛び乗るか……?いや、車の運転の仕方なんて知らないし……あぁどうしたらいいんだよ………
!!)
携帯をしまうために、手を入れたポケットで、それを思い出した。
いや、流石にこれでどうにか出来るとは現実無理だ。
だとしても
「一か八か………やってみるしかないって?」
小さく、短く息を吐き、帽子をぐっと深く被り直した。
「班長!Aちゃん!バイク借りてきた……って
何してるの!?」
ガードレールを乗り越え、乗用車へと走り、
そのままその上へと飛び乗った。
「ヒロ!班長!なるだけ事故らないように時間稼いでくれ!!」
「おい…何をする気だ!?」
取り出した手のひらくらいの小さなドライバーを握りしめ、2人へニッと笑いかける。
「松田や萩原ほど手先器用でも、車の知識ある訳でもないけど
やれる可能性あるなら、やるっきゃないだろ?」
乗っている2人に、ボンネットを開けるように指示し、浮いたその鉄板を持ち上げる。
ごちゃごちゃとした金属の錆とガソリンの匂いが鼻につく。
顔をしかめていたのか、ヒロは不安そうな表情を浮かべる。
「で、出来るのか?」
「……なんとも言えない。
状況を簡単に説明すると、今やってるのは人よりちょっと手先が器用な人間が、いきなり医者の代わりに手術やらされてんのと同じわけ」
ドライバーを片手に、バンパーを固定している箇所を探る。
「それって……無理って事か!?」
焦った声を上げるヒロに向かって困ったように笑い、同じように、不安でいっぱいになっている運転席の老夫婦にほほ笑みかける。
「……大丈夫です、必ず助けますから。
安心してヒロ。やってる例えはそれだけど、相手は人じゃない。
多少強引にでも引き剥がす」
手探り状態だろうと関係ない。
やるしか、ないんだ。
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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜!!!面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです!!頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜!! (2022年12月27日 1時) (レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です!面白い!これからも無理せずに更新頑張って下さいね!応援してますぅぅぅ! (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃ〜け | 作成日時:2022年12月19日 2時