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尾行 ページ37

ようやく終わった午後の講義のノートを眺めながら、ふと、枕元に置いている小型の時計が止まっていることに気がついた。

「あれ……電池切れてたか」

手馴れた手つきで、単三電池を取り出す。
これは後で捨てておこう。

予備が無かったことを確認して、服を着替える。
長袖のハイネックと黒いスキニーに、同じように黒いキャスケットに髪を詰める。

ジャケットと財布を掴んで、部屋から出て歩く。


玄関の手前で、その先に見慣れた背中を見つけた。

「ヒロ?」

声をかけるが、こちらに気づいてないようだった。
気づいていない、と言うよりは心ここに在らず、と言った感じだ。
表情も、いつもの優しげな表情では無く、何かを睨むような険しい表情をしていた。

先に学校を出ていくその姿がどうしても気になって、追うように足を早める。

「新宮」

「!?」

肩に手を置かれ、驚いて振り返る。

「だ、伊達班長?
なんでここに……」

予想外の人物に目を丸くしていると、班長は「理由は同じだ」と、その視線を背後へ向ける。

「あの顔……なんかあると思ってな」

同意するように頷く。

「後をつけることになるのは、いささか不本意だが……なんだか、どうにも見てられなくてな…」

「はは、お前も案外優しいからな」

「優しい…?私のどこが?」

ヒロと距離を取りながら、班長と会話をして歩く。

「案外知ってるぞ?体調崩して講義出れなかったやつに資料届けたり、前は猫助けたり。
面倒事が嫌いそうな顔してんのに、気ィ聞かせて色々しててよ。
教官も案外お前のこと評価してるしな」

ニッと笑いながら話す班長に、柄にもなく顔に熱が集まるのを感じた。

「……そ、そうなのか……」

「ん?なんだ、照れてるのか?」

「……別に、言われ慣れてないだけだ……
それに…誰かの助けになるなら、それでいいだけだし…」

なんとなく気恥ずかしくて、顔を見られないように帽子を深く被り直す。

自分としては、当然としての行動だと思って居ることもある。自分で出来ることがあるなら、それをやりたいだけだ。


「…ん、班長」

「止まったな」


視線を前へ向けると、やはりヒロが立ち止まっていたのは、以前のバイク店だった。

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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜!!!面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです!!頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜!! (2022年12月27日 1時) (レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です!面白い!これからも無理せずに更新頑張って下さいね!応援してますぅぅぅ! (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゃ〜け | 作成日時:2022年12月19日 2時

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