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清掃 ページ15

数日が立ったある日。

「鬼塚教場手を休めるな!とっとと掃除終わらせて飯にするぞ!!」

今日も班長の声が校庭に響く。

「悪い松田…そっちのチリトリ貸してくれ!」

「おうよ!その代わり後でちゃんと…返してく(レイ)!」

「つまらん2点!」

Aの視線の先には楽しそうにそう笑い合う松田と降谷。

あの日以降、確執が解けたのか、初日の殴り合いが嘘かのように2人は仲が良くなっていた。

「すっかり仲良しになっちゃったなぁ、あの二人…」

「陣平ちゃんの親友の俺としては
ちと、ジェラっちまうねえ」

「何だ萩原、ゼロに妬いてるのか?」

「ちょーっとだけね!
そういうAちゃんも、いつの間にか陣平ちゃんとか降谷ちゃんと仲良くなってるしー!」

私も、あの日からゼロや松田とも講義外でも話すことが増え、ヒロや萩原、班長も含め、
思っていたよりも、彼らと一緒に行動することが増えていた。

「ゼロ。そっちのゴミ、袋あるから」

先程取ってきた袋を片手に2人の方へ。

「萩原くーーん!次の休みの日、ウチらの教場との合コン忘れないでねー!」

「ああ!任されてー♪」

不意に聞こえてきたのはそんな会話。
どうやら他の教場の女子のようだ。

「イケメンいっぱい揃えてよー♡」

「そこの金髪の外人さんとかー♡」

「あ!そこの長髪のお兄さんとかもー♡」


「え?」

「えっ」

「ぶふっ」

目の前でゴミを集めていたヒロとゼロの視線がこちらを向いた。
松田はと言うと顔を背けてはいるが、肩が震えている。

「……なんだよ」

「お、お前……ふふっ……男に間違えられてんぞ……
はははは!」

「知ってんだよ」

まぁ少しデカめのジャージに帽子に、ついでに後ろ向いてれば、背が低くて髪が長い程度の男に間違われてもしょうがない。

今までも何度かあったし。

未だに笑い続けている松田の頭をチリトリで叩く。

「あだっ!」

「Aちゃん、ちゃんと女の子に見えるんだけどなあー」

いつの間にかこちらに戻ってきていた萩原が、後ろからのしかかるように抱き着いてくる。

「重い、萩原」

「Aちゃんも来てね、合コン♪」

「生憎と向こうはイケメンをご所望だ。私は合わないだろ。

ほら、さっさと終わらせるぞー」

萩原の手からするりとぬけて、班長の元へ。

「班長」

「お?なんだ?」




「…いや、ありがとう」

(「誰が外人さんだって?それに、あいつは女だ」)



さっきの会話、ちゃんと聞こえてた。

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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜!!!面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです!!頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜!! (2022年12月27日 1時) (レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です!面白い!これからも無理せずに更新頑張って下さいね!応援してますぅぅぅ! (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゃ〜け | 作成日時:2022年12月19日 2時

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