七月のペイルブルー（沖田×ラフィア） ページ7
今日の東京の天気は晴れと言っていた。
午前中は雲が多かったが、晴れてはいた。しっかりと晴れていた。
しかし今日の天気は随分と気まぐれなのか───いや、気まぐれでは済ませられない。
なにせ、午後になって、バケツをひっくり返したような大雨になったのだから。
そんな天気模様に沖田総悟は苛立ちを隠し切れなかった。
別の場所にいる憎き上司をからかいに出かけていたが、午後になってから大雨になってしまった。
それが沖田にとって、面白くない。折角憂さ晴らしで遊びに来たのに、その仕返しといわんばかりの雨。
しかも、服もほとんど濡れた。
────最悪だ、と沖田は舌打ちをする。
時刻的にも学校は終わってる頃合いなので、仕方がなく雪乃に電話しよう────。
｢あぁ、随分と酷い雨ですわ・・・・制服が濡れちゃった・・・・｣
雨音に混じって聞こえた、可憐な声。
沖田はその声の元を横目で見る。
銀糸のような長髪に日本人とは思えないほどの白い肌、そして白のラインが入った黒いワンピース。
・・・・ああ、何時ぞやのお嬢さまか。
あのお嬢さまは温室育ちの箱入り娘、正直な所あまり関わりたくないし、下手に扱えれば武闘派なメイドと執事に何を言われるか────。
｢あら？沖田君・・・ですか？｣
｢・・・・・げっ｣
あろう事か、お嬢さまの方から話しかけてきたのだ。
｢沖田、君・・・・ですよね？見間違えじゃなければ、沖田君ですよね・・・!?だって、その短髪に赤い目は沖田君────｣
｢あーあー聞こえない聞こえないなー｣
｢・・・・・・・やっぱり！沖田君でしたわね！全く、意地悪はやめてください。聞こえてるならはっきりと返事をして欲しいです｣
拗ねたような素振りをするお嬢さまの服は、自分より酷く濡れている。
綺麗な銀の髪も灰色に似た色になっていて、僅かに身体が震えている。
｢・・・・・・こんな所で雨宿りなんざ珍しいですねィ。アンタも傘忘れたのか？｣
｢えぇ・・・午後から雨になるとは聞いていませんもの。ゲリラ豪雨も程々にして欲しいですわ｣
｢じゃあアンタの執事さんにも送ってもらえりゃいいじゃねェか｣
｢澤城は所用があって連絡が取れるのは6時からって言ってました｣
沖田は、ラフィアを見つめる。
そして意を決したように言った。
｢どっか安いホテルで雨宿りしやせんか？｣
｢ホテルで雨宿りですか・・・でも紅莉栖から男の誘いには乗らないようにと──｣
｢そんな濡れた服のままでいる方が心配しやすぜ？｣
七月のペイルブルー（�供泡�←n＋1回目の犠牲（舞奈香×万斉）
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