Shadow Angel #3 ページ3
いつものように羽にくるまり、体を丸めた。
若干体が軋んだような気がしたが、寝返りも打たずに熟睡していたんだろうか。
(……んん…？)
うっすらと目を開ければ、やけに高い天井が目に入った。
さっぱり見覚えのないそれに彼女は少し首をひねったが、いくら寝起きの頭で考えても分からないものは分からない。
(……夢か)
多少の違和感こそ感じれど、それよりなにより今は眠い。
ふわあ、と欠伸を漏らして翼に埋もれた、その時。
「随分呑気なものだな」
「っ、ひゃあ！？」
すぐ近くで、知らない男の声がした。
びっくりして跳ね起きれば、体が宙に投げ出された。
と、思ったら。
「いっ、わっ、くぅっ………！！」
思いっきりお尻打った。
思わずのけぞれば、後ろにあった固い何かに頭も強か打ち付けた。
あまりの痛みに声も出せずに蹲れば、上から呆れたようなため息が聞こえ恐る恐る顔をあげた。
……そこにいたのは、背の高い、見知らぬ男。
鋭い眼光といい、屈強な体格といい、背中に背負っている大刀といい、その男が放つとにかく半端じゃない威圧感に彼女は泣きそうになった。
いや、ところで彼は誰だ。
「……は、はじめまして…？」
挨拶、基本。これ大事。
口を開けばこれ以上ないくらいの深いため息が返ってきた。また泣いた。
「……警戒心の欠片もないのか」
「は、え？」
まぁ確かに、こんな服装の人は見たことがないけれど。
……そこまで考えて、彼女はハッとしたように身を強張らせた。
「……もしかして、
「主が言う
さあっと血の気が引いた。
だって、
「う、売ります？」
「……は？」
「
本当に売られると思っているんだろう。
プルプルと震えている彼女に、彼はもう一度深いため息をついた。
「確かにおれは海賊だが、そこまで落ちぶれてはいない」
「海賊！？」
──海賊、それは彼女にとって、
「すごい…！」
「……？」
ずっと
彼女にとって海賊は、自由の象徴だった。
「海賊になりたいのか？」
「……海を見てみたいんです。実際に、この目で」
どこまでも広がっているという、青い、青い海。
その青は空のそれとも、ほかの何物とも違うと聞く。
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etoile(プロフ) - viaさん» via様…！ご訪問、そして感想ありがとうございます（ ; ; ）どこまでキレさせるか迷ってたんですが、これは振り切ってしまえと笑 いつも温かいメセありがとうございます。癒されております。。 (2021年10月10日 17時) (
レス) id: cf27cf6997 (このIDを非表示/違反報告)
via - etoile様の新作を見つけて飛んできました...！相変わらず素敵な作品ありがとうございます( ;ᯅ; )死の舞踏会とは全く違う世界を楽しませて頂きました。ミホークやっちゃいましたね…笑これからも応援しています。長文失礼しました。 (2021年10月10日 13時) (レス) @page27 id: 958b7942c0 (このIDを非表示/違反報告)
etoile(プロフ) - にこぴさん» はわわわ、ありがとうございます…！最高の褒め言葉頂きました、もったいないお言葉です(*´ω`*) (2021年9月25日 19時) (レス) id: cf27cf6997 (このIDを非表示/違反報告)
にこぴ - ほわわわわ、、、死にそうなくらいすきです、、面白いです。天職ですか？？ (2021年9月24日 23時) (レス) @page12 id: 8ace50b083 (このIDを非表示/違反報告)
etoile(プロフ) - 狐仮面さん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます…！背中を押して頂いて更新してきました(*´ω`*)いつでも両腕広げて正座待機でお待ちしております。。 (2021年9月23日 14時) (レス) id: 3d5d0c0882 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：etoile | 作成日時：2021年9月21日 23時
