青春の44ページ ページ45
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いつも素通りをしていた、モールの角にあるストーン専門店へなんだか今日は踏み入りたくなった。
すると、理由は分からないが私は漆黒に光る石から目が離せなくなった。吸い込まれそうな黒色になぜだか安心感を覚える。
『それ、オニキスって言うんですよ。』
背後からいきなり店員さんに声をかけられて、思わずビックリして振り返る。
「なんだか引き込まれてしまって…。」
店員さんはにっこり微笑んで、オニキスの持つ意味や効果などを詳しく教えてくれた。
『ブレスレットやピアスにもできますからね。』
「でも私ピアスの穴開いてないんです。」
『併設されてるそちら側ではピアッシングもできますよ。』
ふと視線を送ると少しのスペースとピアッシングの道具が並べてある。
「じゃあ、開けてもらおうかな…あのこのオニキスをピアスにして8個下さい!」
8個と言ったらギョッとされたけど、7個は別々に包んで欲しいと伝えたところ納得したみたい。
少し熱みを帯びた左耳を髪で隠し、聡を待つ。さすがに8個もピアスを買ったから金額が可愛くなくて他のお店には寄らなかった。
日野「お待たせ。早かったね。」
「まあね。買えた?」
日野「危うくAと被りそうになったけど、買えた。」
「早い者勝ち!お茶しよ。」
フードコートは激混みだろうから、とモールから少し離れた喫茶店に入りコーヒーを頼む。
日野「さっきからずっと左耳触ってるけどどうしたの?」
「えっ、何もないよ。」
聡の割には鋭い!いつかバレるだろうから別にいいんだけど今じゃないって言うか…。
日野「いいから見せてごらん。」
と言って私の髪に手を伸ばす。こいつ本当に人の目ってもんを気にしねえ!
「ちょ、やめ…」
『ちょ、やめろって!』
え?
日野「なんか聞き覚えあるこの低い声。」
「私も。」
そーっと振り返るとそこには、綺麗な女の人と…
安元「やめろっての。」
ボブチャンチンがいた。日曜日の昼間にこんなところで…まさかデート?
日野「あの女性、彼女かな?」
「めっちゃ綺麗。」
そこでどうしてなのか分からないけど、ネタに走りたがる私の脳みそが私の全身に命令を下した。
「ちょっと行ってくる。」
日野「A?!ちょっと何するつもり?」
ガタッと席を立つ私を戸惑いの目で見つめる聡はスルーで、ツカツカとわざとヒールを鳴らしてチャンチン達のいる席へと向かう。
「ちょっと、洋貴?この女誰かしら?」
安元「え…はっ?!」
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霜月藍(CV日野聡)(プロフ) - ぽんさん» あ、マスター主人公だったのか(←ノるなよ)。でもぽんさんの想い、ちゃんと伝わってますよ。私も同じ想いです。こんなおじいちゃん、いや、親戚の叔父ちゃんとかでもいいから近くに欲しい。 (2018年3月9日 22時) (レス) id: f1de22f120 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 霜月藍(CV日野聡)さん» もしかしたらマスターに一番夢を込めてるかもしれない…こんなステキな大人がいたらいいのに、という私の妄想が溢れたマスターのお話です(違う) (2018年3月5日 15時) (レス) id: 5a878bcdf8 (このIDを非表示/違反報告)
霜月藍(CV日野聡)(プロフ) - どうしよう....マスターが好きすぎる (2018年2月2日 11時) (レス) id: e604f57806 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - アキラさん» コメントありがとうございました。これからもゆるーい空気感でやっていきます!また遊びにいらしてください♪( ´θ`) (2018年1月9日 18時) (レス) id: 1dc41fe2db (このIDを非表示/違反報告)
アキラ - こんばんわ。読んでいてとても楽しいです!!これからも更新頑張ってください!応援してます。 (2017年12月28日 1時) (レス) id: 52d4259820 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽん | 作成日時:2016年10月31日 7時