青春の31ページ ページ32
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『たまーにこの店にも顔を出すんだけど、なかなか忙しいみたいでね。なんでも受け持ったクラスに問題児がいるらしくて手を焼いてるみたいだ。君たちみたいにいい子ばっかりだったらいいんだけどね?』
マスターが煙を吐き出しながら笑顔で私たちを見回す。私たちも大概問題児だと思うんだけど、顔も知らないマスターの後輩さんを少し気の毒に思った。
『さあ、冷める前に召し上がれ。』
手を合わせて「いただきます」と言うとみんな一目散に食べ始める。何度も言うけど、食べ盛りって本当に恐ろしい。
僕もコーヒー飲もうかなって席を立ったマスター。トイレに行くふりをして鞄を持ってマスターの後について行く。
「例の飾りです。お店に置いておいて貰えますか?」
渡した飾りをバックヤードに持っていくマスターを横目に席に戻って艶々のアップルパイを食べようとすると…ない、ないないなーい!なんで?!
「ちょ、ちょっと私のアップルパイは?!」
福山「お前なかなか食べないからいらないのかと思って。」
「待ってなんで誰も潤を止めないの?」
小野「そのー…。」
間島「なんていうか。」
菅沼「美味しそうだったから。」
まさか…おまえら全員…
「共犯か!」
立花「毒味だよ、毒味。」
近藤「カスタードが甘すぎなくて美味しかったよ。」
日野「Aもあれなら食べられると思う。」
「もう跡形も残ってないじゃんか!このボンクラ野郎どもめぇええ!!」
小野「まあまあ、落ち着いて。」
「黙れ大輔!そうやって食ってばっかだからブクブク太るんだよ!!」
食べ物の恨みは怖いんだからな!お前ら全員覚えとけよマジで!
『どうしたの?』
「アップルパイ一口も食べてないのにボンクラ野郎共に食べられたんです…。」
『本当に仲が良いねえ、君達は(笑) 僕も食べようと思ってもう1つあるから今持ってくるよ。』
「でもそれマスターの分じゃ!」
『じゃあ半分こしようか。』
「本当にいいんですか?」
『勿論だよ。』
そう微笑みながらキッチンに戻っていくマスター。
「優しさの塊…。」
ほうっと溜息を漏らすと、ボンクラ集団全員が盛大な舌打ちをした。
福山「お前、将来絶対」
立花「悪い男に引っかかるよ。」
「な、何よ!」
間島「Aって案外ゲンキンだよね。」
菅沼「心配だなあ。」
近藤「知らない人にお菓子あげるって言われてもついて行っちゃダメだよ?」
「…お前らが私のアップルパイ食うからこうなったんだろうが!」
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霜月藍(CV日野聡)(プロフ) - ぽんさん» あ、マスター主人公だったのか(←ノるなよ)。でもぽんさんの想い、ちゃんと伝わってますよ。私も同じ想いです。こんなおじいちゃん、いや、親戚の叔父ちゃんとかでもいいから近くに欲しい。 (2018年3月9日 22時) (レス) id: f1de22f120 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 霜月藍(CV日野聡)さん» もしかしたらマスターに一番夢を込めてるかもしれない…こんなステキな大人がいたらいいのに、という私の妄想が溢れたマスターのお話です(違う) (2018年3月5日 15時) (レス) id: 5a878bcdf8 (このIDを非表示/違反報告)
霜月藍(CV日野聡)(プロフ) - どうしよう....マスターが好きすぎる (2018年2月2日 11時) (レス) id: e604f57806 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - アキラさん» コメントありがとうございました。これからもゆるーい空気感でやっていきます!また遊びにいらしてください♪( ´θ`) (2018年1月9日 18時) (レス) id: 1dc41fe2db (このIDを非表示/違反報告)
アキラ - こんばんわ。読んでいてとても楽しいです!!これからも更新頑張ってください!応援してます。 (2017年12月28日 1時) (レス) id: 52d4259820 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽん | 作成日時:2016年10月31日 7時