02 廊下事変 ページ2
「お先失礼しま〜す…」
「お疲れ様でーす」
やっと帰れる。
今からだったら10時くらいには家に着きそうだから、今日は3時〜4時くらいに寝よう。
あれ？
廊下の奥の方の電気が消えている。人の気配も感じる。
妙だな。コワ。
恐怖心と好奇心が今必死に戦っているのだけど、私の足は勝手に進んで行った。
いや、大丈夫。電気が消えているくらい。
なるべく足音を立てないように。
1番奥の部屋を覗くと、そこには見たくないものがあった。
「なあ、ええやろ…」
「ん…」
うわ、うわうわうわ、黄瀬先輩だ。サイアク。
髪の短い、その、胸の大きな女の人と密着していた。まだ服は着てたからセーフ。
黄瀬先輩が女の人の首筋に口を寄せたあたりで急いで引っ込んで、壁に張り付いた。
あー、やっぱちょっとショック受けちゃうな。
彼女がいたのもそうだし、会社でこういうことする人だとは。
帰ろ。覗きはだめ。
「ゔっ、あﾞぁぁぁぁ！！」
「！？」
足を止めた。女の人の叫び声。
えっ、何、先輩の声はしないし、問題ないんだよね？
ちょっと痛いやつ…よく分かんないけど。しただけだよね。
水音するし。早く帰ろう。
「あﾞー、不味…」
え、なになになになに、黄瀬先輩の聞いた事のない声色。
ちょっぴり、ちょっとだけ、見てみよう。ちらり。
「ヒュッ…」
息を吸い込んだ。
覗き込んだ部屋には、首から血を流して倒れているさっきの女の人と、口から血を流して棒立ち状態の先輩がいた。
やばい。やばいやばいやばい。とにかくやばい。
声を出しちゃいけない。口を手で覆おうとしたが。
「へぇっ、やぁぁぁぁぁ！！！！」
死ぬほどでかい叫び声が飛び出してしまった！終わった！
「は！？瀬川…」
「あっ、あ、あ、すいませ…」
「ふーん、見てたんや…ちょ待って！？」
一目散に逃げ出した。外に出なきゃ、人がいっぱいいるとこ。
殺される。絶対殺される。黄瀬先輩、やばい人だった。
「っはぁ、はぁ、たす…たすけて、花村さぁん！！」
「うぁぁ、持田さんん！！どこぉ！！！はぁっ…」
「ゆりちゃぁぁん！！はぁっ、ゆりちゃ、ふぁ…」
知り合いの名前をひたすら叫んだ。誰もいない。不自然な程に誰の声もしない。早く外に。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さかなしょこじゅん - ちら(みかもん)さん» はじめましてー！！！なんちゅう！！嬉しいです、嬉しいです、ありがとうございます！！！恐縮です、拙者これからもがんばります！！！！ (12月5日 15時) (
レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
ちら(みかもん)(プロフ) - はじめまして！衝動で一気読みしちゃいましためちゃんこ好きです､､､！！！性癖詰め込まれすぎて鼻血出てぶっ倒れるところでした､､､()めちゃファンになりました、さかなしょこじゅんさんの作品読んできます！ (12月4日 4時) (レス) id: b06dce0be8 (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - みーのさん» 何方かと思えばみーの氏じゃあないですか！！！ありがとうございます！！！ワァァ、あちらにもコメントくださいましたよね、確か。めちゃくちゃ嬉しいです…泣きそう、泣く (10月18日 13時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
みーの - うわああめっちゃ好きです…この前『地縛霊と社畜A』も読ませていただいたんですけどほんとに、さかなしょこじゅんさんの作品めっちゃ大好きです！！ (10月17日 0時) (レス) @page30 id: c910479154 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかなしょこじゅん | 作成日時：2023年9月21日 21時
