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物間寧人〈独占欲3〉 ページ43

『え、えーっと………』


「うちのクラスで恋人いるの名前だけだからさぁー!」


「彼のどこがお好きなんですか!?」




彼の、好きなところ。


素直に想像してしまった私の頬が緩む。




「全部は無しだからね!」


『えぇ…………じゃあ、照れ屋で、優しくて………カッコいい所』


「へー!何だか意外だなー」


『どうして?』


「だって、物間くんてなんかそんなイメージないっていうか」


「名前さんはとても愛されてますのね!」




2人はいいなぁ〜と笑う。




『………そう、かな』


「なーんだ、物間くんて実は良い人なんだね!」




無邪気な笑顔を見せた三奈に、何故か苛ついた。


いや、何故かなんて分かってる。


私は、独占欲が強い。


私だけを見て居てほしい。


他の人と仲良くして欲しくない。


それが知られたら、束縛なんて重いと、きっと寧人は幻滅してしまう。


だから、本人には怖くて言えやしない。




「名前ちゃんて、独占欲強いんだね!」


『……そうだね』




その時だった。




「…………えっ?」




ドアが開き、寧人が入って来たのは。


噂をすれば!と嬉しそうに笑った2人に廊下に放り出され、仕方なく歩き出す。




「…取り込み中だった?」


『いや、大丈夫』




しかし、それきり無言だ。


寮まで徒歩5分、無言で歩けばすぐついてしまう距離。


早く、何か。


そう思った時、ついに痺れを切らした寧人が口を開いた。




「……ねぇ。僕の事、どれくらい束縛したいと思ってるの?」


『えっ!!?』




やっぱり聞かれてたんだ。


逃げ出そうとした私の手を、寧人が繫ぎ止めるかのように握る。




「……言ってよ」




真剣な眼差しで見つめられ、長い沈黙の後私はついに話し出した。




『……他の人と仲良くして欲しくない、とか………私だけを見ててほしい、とか……」




こういう時、私は嘘をつけない。


ああ、幻滅されただろうか。


怖い。どうしよう。


ネガティブな感情が頭の中をぐるぐる回る中、寧人の返答はあまりにも想定外な物で。




「……僕も同じこと思ってたって言ったら、どうする?」

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奈楽(プロフ) - 世奈さん» ありがとうありがとう!!!わーーーい泣ける。 (2017年12月14日 22時) (レス) id: d55d8b4d4d (このIDを非表示/違反報告)
世奈 - 順位おめでとう! (2017年12月14日 22時) (レス) id: d2c996bed1 (このIDを非表示/違反報告)
奈楽(プロフ) - 秋ノ宮紅音さん» 全然見ていませんでした…………。ありがとうございます!!とても助かりました! (2017年12月1日 21時) (レス) id: d55d8b4d4d (このIDを非表示/違反報告)
秋ノ宮紅音(プロフ) - 二次創作なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年12月1日 20時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奈楽 | 作成日時:2017年11月25日 15時

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