相澤消太〈秘密事4〉 ページ24
私と相澤先生は所詮生徒と先生。
私の想いは許されるものではない。
かといって、軽い気持ちで好きとも言いたくない。
黙り込んだ私に、相澤先生が遠慮がちに言った。
「いや、別に無理しなくていいんだぞ」
ほら、私は先生に生徒としか見られていない。
そう思ったら、無性に悲しくなった。
付き合うどころか、
想いを伝えるどころか、
……私は、彼の恋愛対象ですら無いのだ。
私の目から、涙が零れ落ちた。
「！？おい、どうした急に…そんなに嫌か」
先生の焦った声。
ああ本当、その優しさが、
痛い。
『………ねぇ、先生。卒業しても、まだ私が先生の事好きだったら、……せめて恋愛対象として、私の事見てくれませんか』
ぽろり、と口から飛び出た本音。
私が口をつぐむんだのは、あまりにも遅かった。
先生の目が見開かれる。
ああ、やってしまった。
こんな気持ちになるくらいなら、
あの日、
スマホ忘れなきゃよかった。
個性、使わなきゃよかった。
あの日………………
「………名前」
『先生、ごめんなさい。こんな事言って、悪者にされるのは先生なのに………秘密にしようと、思って、たんです…けど……』
涙がぽろり、ぽろりと溢れ出る。
嗚咽が漏れて、言葉も途切れ途切れ。
ああ、私いつの間にか、
こんなに先生の事好きになってたんだなぁ。
怒られるか、
呆れられるか、
はたまた除籍処分か。
……貴方を好きになってしまって、ごめんなさい。
「………悪いが、それは無理だな」
『……そりゃ、そうです』
謝罪には驚いたが、無理という言葉は想定内。
やっぱり、と思った。
しかし、
その次に先生の口から出た言葉は、
あまりにも、意外で。
「……お前が卒業しても、俺の事好きだったら…………付き合うか」
『………えっ？？？』
拍子抜けしたかのような声が出る。
あまりの衝撃に、涙もひっこんでしまった。
『先生、それって…………』
「早く帰れ。後10分で完全下校時間だ」
先生は、あの日と同じ、
優しい顔で微笑んで、
私の頭をぽんぽんと撫でた。
それから2人が結ばれるのは、
もう少し、後の話。
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奈楽(プロフ) - 世奈さん» ありがとうありがとう！！！わーーーい泣ける。 (2017年12月14日 22時) (
レス) id: d55d8b4d4d (このIDを非表示/違反報告)
世奈 - 順位おめでとう！ (2017年12月14日 22時) (レス) id: d2c996bed1 (このIDを非表示/違反報告)
奈楽(プロフ) - 秋ノ宮紅音さん» 全然見ていませんでした…………。ありがとうございます！！とても助かりました！ (2017年12月1日 21時) (レス) id: d55d8b4d4d (このIDを非表示/違反報告)
秋ノ宮紅音(プロフ) - 二次創作なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ！違反報告されます。 (2017年12月1日 20時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奈楽 | 作成日時：2017年11月25日 15時
