P.41 ページ42
シゲside
AにLINE送ったり電話してみたりしたけど、返事はなかった。
事務所の会議室に入ると、そこには小山しかいなかった。
｢お、シゲきたね｣
｢まっすーは？｣
｢飲み物買いに行ってる。｣
｢シゲ、本当におめでと___｣
｢ねえ、Aは？｣
辺りに漂う沈黙。驚いた小山の顔。
｢え？｣
｢だからAはどこだよ！工藤さんからお前に聞けって言われて来たんだよ！｣
｢シゲちゃん…｣
不自然に黙る小山を見てもっとイライラしてしまう。落ち着きを取り戻せない。
それでも小山は何も喋らない。
バンッ！！
思わず机を叩いた。…手のひらが痛い。
｢なんか言えよ！！｣
｢シゲちゃ、落ち着いて…｣
｢なんでだよ！！｣
なんで誰も教えてくれないんだよ…
その時、
｢小山！！Aちゃんが目覚ました！！｣
｢あっ、シゲ…｣
ドアを勢いよく開けて入ってきたまっすーが息を切らして立っていた。俺の顔を見てすごい驚く。
｢本当に！？良かった！良かったよ...！｣
その言葉を聞いて小山が泣きながら笑っている。意味がわからなかった。
｢は？まっすーなんでAのこと知ってんの？
というか、目を、覚ましたって何…？｣
小｢シゲ、黙っててごめん。実は昨日Aちゃん倒れたんだよ。｣
｢は？｣
倒れ、た？
体調悪いの治ってなかったの？
どういうこと？
増｢マネージャーさんが車だしてくれるみたいだから行こ！ほらシゲも！｣
｢う、うん…｣
3人で車に乗り込んだ後、小山とまっすーが事の経緯を話してくれた。
かなり前から体調が悪そうだったこと。
全然ご飯も食べなくなったこと。
倒れた理由は栄養失調とストレス。
まっすーと一緒に仕事していた片岡さんのアシスタントがAの母親かもしれないこと。
腕には痣と煙草の焼き跡があったこと。
聞きながらずっと泣いていた気がする。
嗚咽が止まらない俺を小山がずっとさすってくれた。
言ってくれればよかったのに。
いや、
言えない空気を作ってしまったのは俺だ。
小さい体で毎日頑張ってたのに、それを俺が上から潰してしまったんだ。
悔しくて悔しくて堪らない。
小｢でもねシゲ、Aちゃん。シゲに自分が成長した姿見せたいって言って毎日頑張ってたよ。｣
増｢シゲ、黙ってて本当にごめん。早くAちゃんに会いに行こうね。｣
｢うんっ...｣
病院に着くまで小山の肩に体を預けて眠った。
最近の疲れにも任せて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫翠(プロフ) - 八百万さん» 八百万さん、コメントありがとうございますとても嬉しいです！！現在この作品の第2編(まっすー編)も連載中ですのでそちらもぜひお楽しみください！ (2021年6月22日 21時) (
レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
八百万(プロフ) - 最初から一気読みしました！とても面白くて気づいたら読み終わってました！こんな面白い小説を読めてよかったです！ありがとうございます！ (2021年6月22日 16時) (レス) id: 6b4fee2f31 (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» momoさん最後まで読んでくれてありがとうございました！こうやってコメント頂けて本当に嬉しいです(泣) 今後とも紫翠をよろしくお願いします！！ (2021年4月20日 0時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 完結おめでとうございます！思いでの本屋さんは、更新されたら絶対に一番最初に読む！くらいな勢いで好きでした！(今もめっちゃ大好きです！)完結しましたが、また読み返します！ (2021年4月19日 18時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» STORYも最高でしたね(涙) (2021年4月3日 19時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫翠 | 作成日時：2021年3月15日 0時
