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Aside
3月1日 PM.12:00
体が重い。体を起こそうとすると、昨日あった事が刻まれている「それ」が、私を蝕む。
「もうお昼だよ、早く行かなきゃ...」
今まで開店時間に間に合わなかった日はない。まさか起きたら太陽が真上にいるなんて思っていなかった。
勉強しなきゃ...
「いっ、たたた...」
体に付い新しい煙草の跡と痣。
心無しかお腹も痛い。
ああ、昨日久しぶりにポテト食べたから、お腹がびっくりして吐いちゃったんだ...
1度ベッドに戻り、息を整える。
頭もお腹も痛いしだるい。
もう、本当の事を話してしまいたい。
いや、でも迷惑かけちゃうかな。
邪魔だって思っちゃうかな。
……でも、やっぱり限界かもしれない。
成さっ…いや、まりさんに話に行こう。
…もう、終わりにしたい。何もかも。
お腹を抱えて起き上がり、パーカーとジャージに着替える。
定期と家の鍵だけ持って家を出た。
意識を何度も手放しかけた。いつもは30分で着く距離もすごい長く感じる。
2駅目で電車をおり、MASORAの入口へ。
白い看板を見つけると、表のテレビにはいつも通り余白堂のCMが延々と流れていた。
__余白にこそ意味がある。
___疲れた心を癒す店。「余白堂」
「いらっしゃいませー!え、Aちゃん?」
「本当だAちゃんだ!え、大丈夫?体調悪い?ねえねえ今日工藤さんいる!?」
「いるいる呼んでくる!!」
いつも見ているほかの店員さんが話しかけてくれてる気がする。意識が朦朧としてよく聞こえない。
つらいよ、
「___Aちゃん!!!」
「まり、さん...?」
「どうしたのその格好!手ぶらなの?
ねえ!しっかりしてAちゃん!!」
「ねえ、まりさんにね、話すことがある、の」
息が詰まってきて話しずらい。その場で膝を着いて座り、まりさんにしがみつく。
「はあっ、はあっ...」
手に汗をかいているのにようやく気づいた。肩を支えているまりさんの顔もよく見えない。
「うんうん聞くよ!どうした?」
言うんだ。本当のことを。
「あっ、あのね…!」
その時、目の前が真っ暗になった。体に力が入らない。
___
「これですか?取りたかった本。」
「あ、ありがとうございます。その本です。」
考えれば、この出会いが全ての始まりだったね。
……成さんっ
助けて。
意識はそこで途絶えた。
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紫翠(プロフ) - 八百万さん» 八百万さん、コメントありがとうございますとても嬉しいです!!現在この作品の第2編(まっすー編)も連載中ですのでそちらもぜひお楽しみください! (2021年6月22日 21時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
八百万(プロフ) - 最初から一気読みしました!とても面白くて気づいたら読み終わってました!こんな面白い小説を読めてよかったです!ありがとうございます! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 6b4fee2f31 (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» momoさん最後まで読んでくれてありがとうございました!こうやってコメント頂けて本当に嬉しいです(泣) 今後とも紫翠をよろしくお願いします!! (2021年4月20日 0時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 完結おめでとうございます!思いでの本屋さんは、更新されたら絶対に一番最初に読む!くらいな勢いで好きでした!(今もめっちゃ大好きです!)完結しましたが、また読み返します! (2021年4月19日 18時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» STORYも最高でしたね(涙) (2021年4月3日 19時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫翠 | 作成日時:2021年3月15日 0時