P.25 ページ26
小山side
｢これ解き終わりました｣
｢どれどれ〜丸つけするね｣
Aちゃんから解き終わったノートを受け取る。
｢なんか緊張する...｣
｢なになに、シゲじゃないから？｣
｢まあそれもそうですけど...｣
最近勉強を始めた割には丸の数も多かった。
これもシゲの力なのかな？凄いなあ...
｢はいできた！結構あってたよ｣
｢よかったあ...｣
｢小山さんって次いつ成さんに会いますか？｣
｢次ねえ、2日後にロケがあるよ｣
｢いそがしい、ですか？｣
｢忙しそうだね。雑誌の撮影とかもめちゃめちゃあるからね。｣
｢そっかあ...｣
｢寂しい？｣
｢まあ、それなりに｣
｢素直じゃないなあ｣
Aちゃんは手元にある現代文の本を俯きざまに眺める。
｢でも次会った時は、前会った時より成長した自分でいたい...です｣
その健気な姿は思わず俺も支えてあげたいと思うほどだ。シゲの気持ちも分かる気がする。
まあ、俺も俺なりに力になれたらいいな。
｢Aちゃん、俺もタメでいいよ｣
｢え！？今日初対面ですよ？｣
｢いいからいいから｣
｢う、うん。ありがとう。
これからよろしくお願いします...｣
｢あらら？笑｣
｢あ｣
それから俺は時間がある時には必ず顔を出すことに決めた。
2日後
7:00
｢シゲおはよ〜｣
｢おはよう小山｣
俺たちの番組のロケで借りている山に向かうため、事務所前の駐車場で待ち合わせていた。
俺とシゲはいつもの並び順で車に乗り込む。
｢シゲちゃん疲れてない？｣
｢大丈夫よ楽しいし｣
｢この後なんかあんの？｣
｢このあとは...ドラマの方の取材でNHKに行くかな。でも少し時間空くと思う。｣
｢じゃあさ、Aちゃんに連絡してあげなよ｣
Aちゃんの名前を出すと、びっくりした顔でこっちを向く。
｢なんでAのこと知ってんの？え、工藤さん？｣
｢そうそう。『成さんが全然来ないからAちゃんが悲しんでるからきて〜！』って｣
｢わー工藤さん言いそう｣
｢いい子じゃん。すごい寂しがってたよ。｣
｢確かに、最近全然余白堂行けてないからなー。ロケ終わったらLINEしようかな｣
｢えーそこは電話してあげなよ。｣
｢でも勉強してたら悪いし｣
｢いいのいいの、声聞きたいに決まってるでしょ。｣
｢うーん、じゃあそうしようかな。｣
｢小山さん加藤さん打ち合わせ始めまーす｣
｢はーい｣
シゲは1度顔を手で覆い、それから頬を叩いて気合を入れた。
シゲ、無理しないでね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫翠(プロフ) - 八百万さん» 八百万さん、コメントありがとうございますとても嬉しいです！！現在この作品の第2編(まっすー編)も連載中ですのでそちらもぜひお楽しみください！ (2021年6月22日 21時) (
レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
八百万(プロフ) - 最初から一気読みしました！とても面白くて気づいたら読み終わってました！こんな面白い小説を読めてよかったです！ありがとうございます！ (2021年6月22日 16時) (レス) id: 6b4fee2f31 (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» momoさん最後まで読んでくれてありがとうございました！こうやってコメント頂けて本当に嬉しいです(泣) 今後とも紫翠をよろしくお願いします！！ (2021年4月20日 0時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 完結おめでとうございます！思いでの本屋さんは、更新されたら絶対に一番最初に読む！くらいな勢いで好きでした！(今もめっちゃ大好きです！)完結しましたが、また読み返します！ (2021年4月19日 18時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» STORYも最高でしたね(涙) (2021年4月3日 19時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫翠 | 作成日時：2021年3月15日 0時
