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幻覚ではないその懐かしい煙は3年前と同じように
先生が縁側にいるのを示すように登っている
「せん.....せい？」
じっと煙を見つめて自分の口から出たその名前
今この家は他の人に使われているかもしれない
あの煙が先生のタバコだとは言い切れない
そう思いながらも体は勝手に動いていて気付けば引き戸に手をかけていた
3年前鍵がかかっていた扉は少し力を込めただけで
すんなりと音をたてて開いた
その懐かしい感覚に思わず胸が締め付けられる
「.....あの、すみません」
外から中に呼びかけてみても返事はなく
玄関から見える懐かしい廊下はうっすらと埃をかぶっていて居間の戸は開いている
「すみません」
もう一度大きな声で声をかけてみる
中に入っていく勇気はでないのでここから呼びかけることしかできない
返事のない廊下に最後にもう一度だけ呼びかけようとすると
居間の奥から物音がして足音がどんどん近づいて来る音に変わる
早まる心臓を落ち着かせじっとしているとその人はダルそうに廊下に出てきた
『...なんですか』
そう言って俯いたまま出てきたのは3年前と何も変わっていない先生だった
「あの...」
『セールスとかなら帰ってください』
「私です...先生」
そう言うと先生は顔を上げて目にかかった前髪を
手で退けて私を見つめると少し目を見開いた
「先生....忘れちゃいましたか...？Aです」
『いや....覚えてるけど...何してんの』
3年ぶりだと言うのに先生はどこか素っ気ない
「何って...先生こそなんでここにいるんですか。急にいなくなっちゃって私...電話もしたし...ずっと待ってたのに...」
そう言ったところでポロポロと溢れてきた涙は
自分の意思では止められないくらいに流れてくる
『あ〜ほらそんなとこで泣くな...中入れ』
そう先生に手を引かれ居間に連れて行かれる
「落ち着いたら言えよ」
そう言って縁側に座ってタバコに火をつけた先生
どこか懐かしい状況にさらに涙は溢れてくる
「落ち着きました...」
『...どこがだよ...まだ泣いてんじゃねえか』
「今涙を止めることはできないです...でも心は落ち着きました」
先生は立ち上がり私の目の前に座り直すとじっと私を見つめた
『ごめん』
「え？」
『ここ離れるなんて言ったらお前着いてくるとか言いそうだから言えなかった』
「....でも...でも何か一言..せめて電話くらいは出てくれても良かったじゃないですか」
『ごめん』
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白(プロフ) - ゆうれさん» 初めまして。もったいなすぎるお言葉ありがとうございます（ＴＴ） (2018年7月25日 16時) (
レス) id: 6fe35b1797 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうれ(プロフ) - 初めまして。読み始めたらストーリーの面白さに惹かれて止まらなくて一気読みしてしまいました。ユンギの大人な感じとグクの健気な感じがたまらなかったです。最新話では切なくて泣いてしまいました…本当にこの作品大好きです！これからも応援してます！ (2018年7月25日 13時) (レス) id: dc2e6d7efa (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ぴーなつさん» 初めまして！嬉しいお言葉ありがとうございます〜..（ＴＴ）もう少しお付き合いお願いします。 (2018年7月25日 12時) (レス) id: 6fe35b1797 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - #ユンミユさん» ずっと読んでいただいてるのに申し訳ないです（；；） (2018年7月25日 12時) (レス) id: 6fe35b1797 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - 初めまして。読み始めた時はユンギさんにときめきまくりで、でもグクの健気な感じがいじらしくて、読みながら私もいろんな意味でドキドキしてしまいました笑 最新話のシーンのユンギさんの夢主ちゃんがすごく素敵で……綺麗なお話をありがとうございます！ 楽しみです (2018年7月25日 12時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 | 作成日時：2018年7月12日 15時
