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『キムさんあの辺住んでたんだよね?』
「はい、高校生まで」
『じゃあ練習でお客さんのとこ行ってみようか』
「わかりました」
『慣れたところのがわかりやすいもんね』
「そう...ですね」
『じゃあ明後日ね。終わったらそのまま直帰していいから』
「わかりました」
変な偶然ほど重なりやすいもので月曜日出勤すると
部長から練習として初めてお客さんのところへ行くように言われ
部長は気を使ってあの町のお客さんにしてくれたものの
今はタイミングがなんとなく悪かった
金曜日考えないようにしていた先生のことを思い出してしまったばかりなのに
あの町なんかに行ってしまえばもっと思い出してしまうにきまっている
「でも仕事だし。切り替えよ」
気持ちを落ち着かせ水曜日に備えて資料を集めることにした
その日の夜なんとなくグクに
[久しぶりに仕事で向こう行くことになったよ〜]
そう連絡してみるとすぐに電話がかかってきた
「もしもし?」
『俺も一緒に行く?』
「なんでよ笑 仕事だから私笑」
『でも...大丈夫なの?』
きっとグクは先生のことを言っているのだとすぐわかる
「大丈夫だよ、ありがとね」
『すぐ...終わったらすぐ帰ってきなよ』
「そうだね。そうする」
電話を切ると高校時代こうしてグクと夜中に電話しながらテスト勉強をしたのを思い出す
勉強しているのは私だけでグクはお菓子を食べている音しか聞こえなかったあの電話
「...懐かしいな笑」
グクのおかげで少し気がそれてこのまま水曜日を乗り切れそうだと感じた
そして水曜日
午後に会社を出発して電車に乗りあの町へ向かう
高校時代に使っていた懐かしい車両に座って窓の外を眺めるとどんどん懐かしい景色になってくる
高校の最寄駅に着くとぞくぞくと乗り込んでくる懐かしい制服姿の高校生
2年前まであの制服を着ていたのにすでに懐かしく思う
「(高校生って...こんなに幼かったっけ...)」
自分が大人になったからなのか
偶然目の前にいる高校生が幼いだけなのか
なんとなく幼く見える高校生を見つめてしまう
「(先生もわたしのことこんな風に見えてたのかな...)」
無意識でそう考えてしまい、はっとしてすぐに考えるのをやめる
いまだに私とジョングク君が使っていた最寄駅にはあの高校の生徒はいないようで
1人懐かしい駅に降りると懐かしい景色や匂いに
どうしてもこみ上げるものがあった
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白(プロフ) - ゆうれさん» 初めまして。もったいなすぎるお言葉ありがとうございます(TT) (2018年7月25日 16時) (レス) id: 6fe35b1797 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうれ(プロフ) - 初めまして。読み始めたらストーリーの面白さに惹かれて止まらなくて一気読みしてしまいました。ユンギの大人な感じとグクの健気な感じがたまらなかったです。最新話では切なくて泣いてしまいました…本当にこの作品大好きです!これからも応援してます! (2018年7月25日 13時) (レス) id: dc2e6d7efa (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ぴーなつさん» 初めまして!嬉しいお言葉ありがとうございます〜..(TT)もう少しお付き合いお願いします。 (2018年7月25日 12時) (レス) id: 6fe35b1797 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - #ユンミユさん» ずっと読んでいただいてるのに申し訳ないです(;;) (2018年7月25日 12時) (レス) id: 6fe35b1797 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - 初めまして。読み始めた時はユンギさんにときめきまくりで、でもグクの健気な感じがいじらしくて、読みながら私もいろんな意味でドキドキしてしまいました笑 最新話のシーンのユンギさんの夢主ちゃんがすごく素敵で……綺麗なお話をありがとうございます! 楽しみです (2018年7月25日 12時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2018年7月12日 15時