先生と相良くん。 (ページ5)

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開久高校、来てみたはいいもののどうやって入ろう。ここで出てくるのを待つなんて無謀な事はかんべんだ。そんな時間も気力もない。

あ、そうだ。いきなり連絡するのもあれだけど、まあしかたない。

｢もしもし、佐藤ですけど。｣

｢あ、佐藤くん、Aだよ。｣

｢A？どうしたの？｣

｢いまちょっと訳あって開久高校まで来てるんだけど、相良猛くんって生徒いたりしないかなあ｣

｢いるよ。どうした？｣

｢校門前に呼んでほしいんだけど。｣

｢あーうん、わかった。なんか問題起こしたとか？｣

｢いや、全然。落し物届けに来ただけ。ありがとう、宜しくね。｣

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少し遠くからこちらへ向かってくる相良くんの姿が見える。無事、校門前まで相良くんを呼び出すことができた。

｢A先生ってあんたのことか。｣

｢あ、そう言えば名前言ってなかったね。｣

｢知り合いの高校教師ってうちの学校のだったのか｣

｢そうそう。｣

｢で、なんの用？俺に会いたくなったとか？｣

｢はいこれ生徒手帳。うちに忘れてたよ。｣

｢あ～なんだ、そういう。｣

あ、なんかちょっと残念そうにしてる。
ここで私が会いたくなったから来ちゃったとか言ってたらそれこそ問題だよね。

｢じゃ、喧嘩も程々にね～｣

そう言って私は開久高校をあとにした。
校門で話していたので少し目立っていたし、なによりみんなガラが悪い。

高校生ってこんなんだっけ…若いって怖い。