先生と相良くん。 (ページ3)

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｢…ん｣

｢おはよ、起きた？｣

日曜日の朝、いつもならゆっくりとお昼過ぎに起きる予定が、今日は少し違う朝だった。

｢…誰すか。てか、ここどこ｣

｢夜中に君が私の家の前で倒れてたから運んだの。ほんとはこういうの、警察の人に頼んだ方が良かったんだろうけど…ごめんね｣

｢あ、いや、大丈夫っす｣

｢見えるところは手当しておいたけど、頭も打ってるみたいだし病院行きなね｣

｢……あざす｣

ぐぅ

｢…お腹空いた？｣

｢…｣

｢朝ごはん作ったから食べてってよ｣

｢…ほんとすか、もらいます｣

いいタイミングでお腹がなったことを少し恥ずかしそうにしながら返事をした。

…なんかちょっと可愛いかも。見た目はガラ悪いけど。

｢ごめん、普段あんまり自炊しないからトーストしかなくて。｣

｢うまいっす｣

｢そっか、良かった。ところでその制服、開久高校？名前、聞いてもいい？｣

｢相良。相良猛…です｣

｢あのさ、敬語、苦手でしょ、無理に敬語使わなくてもいいよ。｣

私がそう切り出すと、少し話しにくそうにしていた彼の顔が変わる。

｢…わかった。｣

｢素直でよろしい！ていうか君、相良くんだったんだね。開久高校で色々とやってるでしょ、職員同士でちょっとだけ有名だよ。｣

｢…あんた、教師？｣

｢ん、まあそんなとこかな。でも高校教師ではないから君が喧嘩しててもうるさく言ったりしないし安心してよ｣

｢へぇ。じゃあなんで俺の事知ってんの？俺、そんな有名？｣

｢友達が高校教師なの｣

｢あーなるほどな。｣

何気ない会話をしながらトーストを口に運ぶ。
途中、カフェラテを口にした彼は少し顔を顰めた。少し苦かったのだろうか、紅茶にすれば良かったかな。

｢何笑ってんの｣

｢…あ、笑ってた？男子高校可愛いなーと思って｣
｢嬉しくねぇ｣

いつもと少し違う休日に充実感を感じながら、私の休日は終わった。