10 ページ11
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
少し離れたところに移動すると、救急車のサイレン音が聞こえた。とりあえずはこれで大丈夫か。
「えっと…これは返り血?怪我は?」
「ない、洗えば大丈夫だろ」
「そっか。」
何となく気まずい沈黙が続く。
「……強いんだね3人相手に怪我もないとか。」
そう私が呟くと、相良くんは予想外の発言だと言わんばかりの表情を見せた。
「え、なにその表情」
「いや、説教されるかなと思ってたから、何言ってんだこいつと思って」
そう言って相良くんは笑った。
「なにそれ、説教した方が良かった?」
「めんどくせぇからいい」
「……だと思った。喧嘩に遭遇しちゃった時の相良くんの顔、やっちまった〜って感じでうちのクラスの3歳児と同じ表情だったし。」
「ガキと一緒にしてんじゃねえ。」
「あはは、ごめんごめん怒んないでよ」
「さて、帰ろうかな。家の鍵もあったし。」
「家の鍵忘れてたのかよ。」
「うるさい。」
「送るわ。また喧嘩止めにはいられてもめんどくせーしな」
「あはは、それはどーもありがと。」
あの場面に出くわしてしまった時はどうなることかと思ったけど、なんだかもっと仲良くなれた気がした。
あのボコられてた3人には申し訳ないけどね。
191人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:英雄 | 作成日時:2018年11月11日 0時