誤解レンタル【国見英】 ※修正中 (ページ3)

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love*accident…002 ページ3

問答無用で彼女の手を引く。

彼女は戸惑っていたがきっと彼女の友達は
上手く騙せたに違いない。

我ながらなかなかいい仕事をした。
これであの時の恩はチャラにしてもらおう。

「あ、あの！国見君！」
「何？」
「ええと…助けてくれたんだよね？ありがとう。」
「この前寝てたときのノート助かったし…お礼。」
「あー…」

？？

困り眉に気まずそうな雰囲気。
感謝って感じじゃない。

何か思った反応と違うな…

「多分勘違いだと思うんだけど…」
「え？どういうこと？」
「さっきのは私の友達の彼氏の話で…」

…嘘だろ。

「俺てっきりアンタのことかと思ってたんだけど…」
「や、やっぱり？」
「うん。見栄張ったのかなって。」
「ち…違うよ！私は彼氏居ないし！」

彼女の友達に彼氏ができたようなのだが
その友達が妙に秘密主義で彼女以外に
彼氏の名前を言わないらしい。

で、それが気になった他の女友達が
こっそり彼女へ詰め寄って聞き出そうとしてたわけだ。

マジかよ。

「ごめん。すげー勘違いしてた…」

借りを返すどころか真逆。
迷惑かけてどうするんだよ…

「だよねぇ。」
「本当ごめん。」
「いいよ。善意だったんでしょ？」
「…うん。」

根拠もないのに人助けするもんじゃないな。
彼女じゃなければ下手したら殴られていた案件だ。

俺が巻き込まれに行ったはずが
彼女を巻き込んでしまった。

ほとぼりが冷めるまで付き合う気で居たが…どうする。
これじゃあ理由も無いのに噂が立つだけじゃん。

「そのうち噂も消える…と思う。」
「本当申し訳ない。」
「いいよいいよ。気にしないで。」
「好きな人とか居なかった？」
「うん。居ないから平気。」

彼女がいい人で本当によかった。
これでブチ切れさせたり性格の悪い相手だったら
俺が悪者になったり利用されるところだったよな…

「これからどうする？」
「え、何が？」
「俺“付き合ってる”って宣言しちゃったんだけど。」
「あー…」

彼女が困ってなかったのはいいとしてこれからが問題だ。
誤魔化しが利かないくらい宣言したし…
どうやっても覆せそうにない。

噂なんてすぐ広まるから
…というか何なら多分もう広まっているだろう。

全く接触が無さ過ぎたらそれはそれで
またよからぬ噂が流れるに決まっている。

「あー…提案なんだけど。」
「？」
「…嫌じゃなかったら暫くだけ付き合うとかどう？」