本当の顔 2nd (ページ28)

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2人だけの秘密ページ28

side A

一瞬ドキッとしたけど、優しく頬を撫でながら竜くんは微笑んだ。

「俺が初めての彼氏だから、どうしたらいいのか分からねぇかもしれねぇけど、ありのままよAでいてくれれば良いからな。」

『ありがとう。いっぱい迷惑かけちゃうかもしれないし、嫌な思いさせる事もあるかもしれないけど、よろしくお願いします…！』

「ンなかしこまんなよ。」

竜くんの手はゴツゴツしてて男らしい手をしてるけど、私に安心感を与えてくれる。

喧嘩いっぱいしたんだろなぁ…とか思っちゃうけど、何故か安心できてしまう。
でも、出来れば喧嘩はしてほしくないな…

『あのさっ』

「ん、どした？」

『竜くんの昔の事とかよく知らないけど…あまり喧嘩しないでね？』

「お、おう…」

『色々あるのかもしれないけど、怪我してほしくないなって。出来れば、喧嘩もしてほしくないな』

「…分かった。できる限りはしねぇようにする。Aとの約束な。」

"約束"と言ってくれたからか、私の中のモヤモヤが晴れていく感じがした。

2人だけの約束

照れくさいけど、それすらも嬉しく感じてしまった。

「あ、またニヤけてんの。(笑)」

『ちょっ///竜くん見過ぎ…！』

「良いじゃねぇかよ、自分の彼女見てるだけだろ？」

『あまり見られると、恥ずかしい…』

「こんな事で恥ずかしがってたら、これから先どうすんだよw」

ニヤリと笑う竜くんは余裕そうで……なんか悔しい…！

イケメンなんだから恋愛経験も豊富なんだろな…

自分の中で何故か悔しい気持ちが生まれて、ジョッキのビールをグイッと飲んだ。

『竜くんズルい！！』

「何がよ？」

『なんか余裕そうな顔してるし…恋愛経験豊富でしょ？』

少し踏み込んだ発言をしてみれば、竜くんの顔は軒先の赤提灯のように赤くなっていった。

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怒らせちゃった…かな……

目の前の光景におどおどしてたら、竜くんは両手で赤くなった顔を隠した。

え、まさか泣いてる？！

『りっりんくん？！』

「………じゃねぇよ」

『へ？』

竜くんはハァ…と溜め息を吐いて、今度は頭を抱えながら呟いた

「俺…恋愛経験豊富じゃねぇよ…」

『はて？？？』

「恥ずかしいし、一度しか言わねぇから、よく聞いとけよ…」

そう言われて本人の顔を見れば、顔は赤いものの眼差しは真剣だった…

「こうして彼女として付き合ったの、Aが初めてだから」

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