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見なかったことにしよう。






そう心に決めて、歩き出す。





ほら、やっぱり気づかない。このまま行けば大丈夫…









黒ずくめ男の前を通り過ぎようとした瞬間、ぱっと手を掴まれて後ろに引っ張られる。








「っ、ちょ、!」








『ちょっと待って!話聞いて!』








僅かながらに抵抗していたけど、こんな外で暴れるのも良くないから少し落ち着いてじっとその人を見つめる。








『えっ、と、…俺、









神谷健太って言います、







陸さんからたまに聞いてない、?』









あ、









よく彼が一緒にいる人だ。









「けんた、さん、?



よく、呑みに行ってる方ですよね…?」








『あー!そうそう!





はー、健太のこと知らないって言われたらどうしようかと思った』









なんてニコニコ見つめてくるけど、









ただただ、怖い。









電話越しに話してたあの会話を思い出して









何を言われるのか、思わず身構えてしまった。









『あのさ、お腹空いてない?








ご飯。行こ?』







え、何この人。こわい。









「えっと…初対面、ですし…





今日、って何の日か知ってます…?」









『あー、健太ねイベント事とか初対面とか気にしないから!





よし、レッツゴー!』








そのまま私の手を取りずんずん歩いていく健太さん。









なんだか、面倒なことになっている気がした。









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emu(プロフ) - このお話読んでいると胸がきゅーっと締め付けられて苦しくて、お話にすごく惹き込まれました。続きが気になって仕方ありませんが、陸さんが何を言いたかったのか気になりますが、書かないところに主さんの美学を感じます。素敵な作品に出会えて良かったです。 (2023年3月25日 3時) (レス) id: 9e68142d2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺよたん。 | 作成日時:2021年9月15日 9時

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