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次に目を開けると、隣に彼はいなくて
代わりに、キッチンからいい匂いがする。
「…りく?」
ぼんやりしたまま声をかけると
『あ、ごめん勝手にキッチン使ってる〜』
なんて。
世間から見ると、理解されない
私達だけの世界。
「ん、ありがと」
『いいえ〜』
にこにこ ご機嫌な彼をみてると
こっちまで幸せな気持ちになる
『はい!どうぞ!』
陸特製オムライス!
ちゃっかりケチャップで文字なんか書いちゃって。
こんな日が毎日続けばいいのに。
そんな幸せが続くはずもないのに。
「…電話鳴ってるよ、」
まるで私の幸せを壊すかのように、鳴り響くコール音。
『あー、…ほんとだね
………ちょっと出てくる、』
苦笑いのまま部屋から出ていく彼。
彼女かな、なんて
聞いたほうが辛くなるだけ。
知らぬが仏、ってやつ。
大人になるにつれ、そんなことばっかりだ。
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emu(プロフ) - このお話読んでいると胸がきゅーっと締め付けられて苦しくて、お話にすごく惹き込まれました。続きが気になって仕方ありませんが、陸さんが何を言いたかったのか気になりますが、書かないところに主さんの美学を感じます。素敵な作品に出会えて良かったです。 (2023年3月25日 3時) (レス) id: 9e68142d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺよたん。 | 作成日時:2021年9月15日 9時