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『これ欲しい〜！』
「もー、あの大事なお仕事終わってからって決めてたじゃん！」
私にはしてくれない仕事の話。
きっと私には見せない姿も、
できない話もたくさんあるんだと
しっかり、はっきり見せつけられたようで
悲しくなったこともあったな、
もうどこかで彼のことは過去の一部になり始めていた。
『…やっほ、』
ほら、こんな過去仕事中に思い出すから
まるで彼がいつも来る時の、光景まで蘇って…
『ちょ、Aちゃん？
俺だよ？陸だよ？』
目の前で手を振ったり肩を叩くその人は
「…え、青山、さん、？」
『そうだよ！？青山さんだよ？陸さんだよ？
大丈夫？具合悪い？』
目の前の彼は夢じゃなかったみたい
思わず、涙がこみ上げた
え、ちょ、まって、！？
なんてあたふたしてる彼を横目に、
何もできない私。
私なんかよりしっかりしてて、
いつも彼を通す個室に連れて行かれる。
通い慣れた彼だからこそできることだ。
はあ、良くない。仕事だ。
自分の私情なんか持ち込むな。
心の中でそっと呟き、溢れかけた涙をしっかり仕舞い込んで
「申し訳ございません。青山さん。
お久しぶりです。
今日はどういったものをお探しです___え、？」
話してる最中に急に抱き寄せられて思わず声が漏れる。
『よかった、変わらないAちゃんだ。』
「ちょ、青山さん、…」
少し名残惜しいけど、彼からそっと離れて
「どうなさったんですか？」
あくまで店での対応をしなければならない。
『あ、ごめん、…』
「いえ。
ホワイトデーの下見ですか？
冬の新作お持ちしますね。
少々、お待ちください。」
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emu(プロフ) - このお話読んでいると胸がきゅーっと締め付けられて苦しくて、お話にすごく惹き込まれました。続きが気になって仕方ありませんが、陸さんが何を言いたかったのか気になりますが、書かないところに主さんの美学を感じます。素敵な作品に出会えて良かったです。 (2023年3月25日 3時) (
レス) id: 9e68142d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺよたん。 | 作成日時：2021年9月15日 9時
