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『…健太からしたら、そう見えないけどね。』
澄ました顔でそう言われると、
何も知らないくせに、私の気持ちなんてわからないくせに、なんてイライラしてきてしまって
「…クリスマスも、年越しも、彼の誕生日も、もちろん私の誕生日も……
全部全部一人ですよ、
一緒に何かを楽しんだことも何もないですから。
仕事の話も一切しないし、プライベートももちろん。
私は彼の何も知らない。
私達、本当に薄っぺらい関係なので。」
周りを見るたびに悲しくなるけど、
夜中に来てくれるだけで、
一緒にいてくれるだけで、
彼の隣にいられるだけで幸せと思ってるから。
いや、思い込んでるのかな、
お酒が回ったのをいいことに、初対面の健太さんに思わず嫌な言い方をしてしまった。
『………じゃあ、健太と付き合わない?』
「は?」
思わず口から出てしまった。
「えっ、と…無理、です。
健太さんのこと、何も知らないですし」
『じゃあさ!健太と友達になろ?
そっから始めようよ。』
「…噂通り、話ぶっとんでますね。」
ふと、彼の言葉を思い出した。
“ 健太って面白いんだけどほんとに何考えてるかわかんないの笑 ”
彼の言葉が、本当にそのとおりだと思った。
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emu(プロフ) - このお話読んでいると胸がきゅーっと締め付けられて苦しくて、お話にすごく惹き込まれました。続きが気になって仕方ありませんが、陸さんが何を言いたかったのか気になりますが、書かないところに主さんの美学を感じます。素敵な作品に出会えて良かったです。 (2023年3月25日 3時) (レス) id: 9e68142d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺよたん。 | 作成日時:2021年9月15日 9時