- 漆黒 - 2 (ページ32)

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あの会話を聞いてから、どうしたらいいのか、

メンバーに相談するべきだ、そうわかってはいたけど

なかなか言い出せず、気づくとツアーファイナルの前日に迫っていた。

もちろん、ここにAの姿はない。

力矢さんからの、休憩の合図が出ると一瞬にして力が抜ける。

今だ、そう思って

壱『あ、の、！休憩中にすみません、ちょっといいですか』

なんてメンバーに声をかける。

陣『ん？なしたん？』

力『ちょっと集まろうか、みんな集合ー』

声がかかるとわらわらと集まってくる。

陣『ん、ゆっくりでええよー、なんかあったん？』

壱『…2日前、たまたま事務所に用事があって来たら、目の前にAとHIROさんが居たんです。

Aに声掛けようと思って近づいたら、聞こえてきた会話が…………

ツアーファイナルを見届けた早朝便で…って…』

陸『どういう、こと、』

彰『あいつはまたなんか隠しとるんか、』

壱『…詳しい話はわかりません、きっと単純に聞いてもAは答えないな、とか…色々考えてたらこんな前日になってしまって…すみませんでした、』

力『…話してくれてありがとう。

真相がわからない分どうしたらいいのか…』

慎『…僕は、もう離れたくありません。』

陸『…空港まで追いかける？』

海『空港までも行かせたくないっすね、ライブ後に問いただす、とか、』

真顔ですごいことを言い出すメンバーたち。

みんなの会話を聞きながら、自分なりにできることがあるのではないかと考え続けてたら、

気づいたら会議は終わってて、みんなは解散していた。

俺が今できるたった一つのこと、

誰にも言わずにやり切る。

そう、心の中で誓った。

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