- 漆黒 - 2 (ページ28)

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「…でも、それと同時にずっと、嫌でした。

なんで私だけ…なんで私ばっかりこんな目に合わなきゃいけないんだろうって…

望んで、男だらけの大所帯に入ったわけじゃない。

チヤホヤされたくて、ダンスを始めたわけじゃないのにって…

もちろん、メンバーのことは大好きでした。

こんな私を認めてくれる、唯一の場所だから。

…でも、みんなの好きな私は踊れる私だから。

踊れなくなった私は、いらないって…そう思いました、

踊れなくなった私に、価値なんてない。

ちょうどいろんなタイミングが重なって、スランプだったんです。

なれない仕事、環境、その中でのスタッフさんからの嫌がらせ、そしてメンバーとの分裂。

全部全部が苦しかった。

なにもしたくないって、ダンスなんか辞めよう

気づいたら、そう思い始めていたんです。」

力『…思いを伝えてくれてありがとう。

ほんとは俺ら最年長が…リーダーがしっかり管理しなきゃいけないはずなのに…本当に、ごめん。』

そう言って頭を下げる力矢さん。

陣『ほんまにっ、…ごめんっ…俺ら…大事なAを裏切るようなことしてしもたっ、…』

リーダー2人が泣きながら頭を下げている。

「力矢さん、陣さん、頭上げてください。

私も、信頼してるはずのみんなを頼ることできなかったから…ごめんなさい。

もっと早く相談するべきでした。」

Aも頭を下げる。

樹『…A、ごめん。俺…最低なこと、した…

Aからなんにも聞いてないからってなにも受け入れようとしないで…ほんとに、酷いことした、…ごめん。』

健『俺も。ごめんなさい…』

「大丈夫です、ああ思われても仕方ない状況でしたし…」

壱『…A、戻ってくるん、よな、？』

「………………」

壱馬が投げかけたど直球の質問に、Aは俯くだけだった。

翔吾『まだ、怖い…よね、』

「…ごめんなさい、すぐには戻れません。

ただ、少しずつでも進んでいけたらなって…」

陸『っ、俺！Aの事いつまででも待つからっ、！

何年も、何十年でもっ、待つからね、！

Aが許してくれるまで、ずっと償い続けるから、！』

言葉に詰まりながらも伝えたいことを伝えていった。

「ふふっ、何十年も待ったら私もう、踊れないかもしれないですよ笑」

久しぶりのAの笑顔は俺らの涙を誘うには十分すぎるものだった。

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